平成30年3月期を終えて

~15期連続 売上高、営業利益増収増益達成、経常利益過去最高更新~

代表取締役社長 中西 聖

平成30年3月期は、企業収益の堅調な推移、雇用・所得環境の改善による個人消費の回復などを背景に、緩やかな回復基調が継続する状況となりました。また、北朝鮮をはじめとする地政学的リスクや足許の米国通商政策に端を発した貿易摩擦の強まりなどにより世界経済の不透明感が出ているものの、世界経済も堅調な景気拡大が続く状況となりました。

このような経済環境のもと不動産業界のうちマンション業界を振り返りますと、日本銀行の低金利政策を背景とした購入需要の増加や東京都心エリアでの地価の上昇、2020年東京オリンピック・パラリンピック特需による建築工事費の高止まりが続く状況となりました。今後も不動産価格につきましては、その上幅は鈍化するものの、人口流入の続く都心エリアを中心に全体としては上昇基調を維持することが見込まれる状況にあると考えられます。

このような状況の中で、当社では「IT×都心×不動産」をキーワードに、東京都心エリアに特化した物件開発で新たな価値を創造し、お客様にこの価値を提供することに努めてまいりました。物件開発面におきましては、用地仕入の競争が激化する中、開発対象用地となる土地の所有者に対し長年東京都心エリアに集中して物件を開発してきた実績を最大限に活用した提案を行うことにより用地を取得するなど、戦略的な開発活動を展開してまいりました。また、販売面におきましては、オウンドメディア「不動産投資Times」、「住み方ラボ」、「ふじたろう」によるマーケティングを積極的に展開し、新規顧客の拡大を推進してまいりました。この結果、売上高、営業利益ともに、創業以来の15期連続増収・増益を達成し、経常利益については過去最高を更新することができました。

2020年以降に向けた今後の取組み

~既存事業の成長とIT技術・クラウドファンディングによる事業領域の拡大~

安定的な成長を継続するため、まずは現在の主軸である東京都心エリアにおける不動産開発販売事業を堅実に拡大していくことを考えております。都心エリアの不動産は、流動性が高く、市況の変化等による損失リスクを最小化し、当社の在庫リスク低減に寄与します。また、当社では顧客に長きにわたって安心して保有いただく物件として、資産性の高い物件の確保を重要視しております。そのため、「東京23区の中でも賃貸・居住ニーズの強い街」、「駅に近いエリア」といった当社独自の用地選定基準に例外を設けることなく、将来を見据えた厳しい目線での用地仕入を継続しております。

少子高齢化により人口減少が進む中でも、東京23区の人口は22年連続で転入超過が続いており、2020年以降も都区部については、人口の増加とそれに伴う単身世帯や少人数世帯の増加が予測されています。この外部環境を踏まえますと、単身世帯の賃貸需要が多いワンルームタイプや少人数世帯のライフスタイルに合わせた活用ができるコンパクトタイプのマンションを主力商品とする開発販売事業の成長余地は十分に見込めると確信しております。不動産業界といえば、国内外の金融動向の影響を受けやすく、リーマンショックによる業界の落ち込みは記憶に新しいところではございますが、当社は創業以来の「都心エリアで顧客に支持される資産性の高い物件を開発し、適正な価格で提供する」というスタンスで、当時も増収増益を成し遂げており、今後もこの経営方針の下、着実に成長していくことを今後の主軸として考えております。

また、不動産開発販売事業で培った実績やIT技術活用といった当社の基盤にある強みや新規領域への挑戦により、事業領域の拡大にも取り組み、新規事業の創出活動や研究活動を継続していくことをもう一つの軸として考えております。

まずはその一つとして、都心エリアにおいて低コストで入手できる用地情報と過去の大量の物件開発実績に基づく高度な企画力を活用して前事業年度より開発を開始した都市型鉄骨造アパート「ソルナクレイシア」シリーズは、その販売を当事業年度より開始し、今期は10棟の販売を見込んでおります。

他方で、IT技術活用の取組みでは、不動産投資をより広く、より手軽に行うための仕組みの構築を目的に「不動産クラウドファンディング準備室」を設置し、現在不動産特定共同事業の許可取得に向けて準備を進めております。今後は不動産クラウドファンディングにおいて、ブロックチェーンのような分散型ネットワーク技術を活用することにより、グローバルでの不動産投資をスマホで手軽に行うことができる時代が来ることも遠くない将来に実現するものと考え、マーケットの可能性についての言及や積極的な情報発信を行ってまいります。

更に、当社保有の特許技術「建物内搬送システム」の活用研究から進展した米国シリコンバレー宅配ロボットベンチャーRobby Technologies Inc.への出資につきましては、業務提携を見据えた共同研究の実施などにより、日本市場での展開に向けた取組を積極的に行っていくことを考えております。

当社では、これらの事業展開の原動力創出のため、人事制度改革を3年前から取り組み、組織力強化を図ってまいりました。この改革により、社員の帰属意識が高まったことや独自の研修制度などが効果を発揮していることなども評価され、当社は世界最大級の従業員意識調査機関Great Place to Work®による『2018 年版日本における「働きがいのある会社」ランキング』に3年連続で選出され、23 位にランクインされました。今後も、社会を進化させる企業となるため、従業員が意欲を高め、互いにシナジーを発揮できる職場環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。

終わりに

~16期連続増収増益と次のステージを目指して~

平成31年3月は前期と同様に、開発物件の竣工時期が第4四半期に集中しており、売上高も第4四半期に偏重するため、第2四半期までは営業損失、経常損失及び四半期純損失で進捗することが予め見込まれているものの、足許においては、極めて順調なスタートを切っております。創業以来の15期連続増収増益を達成いたしましたので、16期目も継続して達成できるよう事業を遂行してまいります。

また、都心エリアに集中した着実な既存事業の成長と事業領域の拡大に向けた新たな挑戦を続けるとともに、当社の次のステージである市場第1部を具体的に目指していけるよう経営してまいる所存ですので、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

平成30年5月
プロパティエージェント株式会社

代表取締役社長
代表取締役社長 中西 聖