平成29年3月期を終えて
売上高、営業利益14期連続増収増益達成、経常利益過去最高更新

~資産運用型の不動産投資は堅調な状況~

代表取締役社長 中西 聖

平成29年3月期は、株高や企業の収益環境改善により景気が緩やかに回復する状況となりました。しかしながら、米国トランプ政権の政策運営等海外動向に不透明感が出始め、慎重な見方が拡大し、足許では株価、為替ともに反転する状況となりました。また、長時間労働に対する社会的注目や非製造業を中心とした人手不足の状況など、人的経営資源についても非常に注目される状況となりました。

このような経済環境のもと、マンション業界を振り返ってみますと、平成28年度の首都圏のマンション供給戸数が平成4年度以来の低水準になるなど、業界環境に変化の兆候が見える年となりましたが、資産運用を目的とする投資用不動産業界におきましては、引き続き順調に推移する年となりました。特に東京23区は、引き続き転入超過の状況が続いており、都内主要駅の乗降客数7%超の増加(国土交通省調べ)や都内待機児童数7%超の増加(東京都発表)、訪日外国人21%増加に対し訪都外国人34%増加など、その一極集中の様相があらゆる統計データに現れる状況となりました。投資用不動産業界におきましては、この環境要因も影響して、賃料の上昇基調を伴ったまま、賃貸需要が順調に推移しており、住宅ローン金利の低推移もあいまって、購入需要も堅調な状況となりました。

今後も住宅ローン金利のベースとなる長期金利は低水準で推移することが想定されることから、販売価格を抑えることのできる居住用コンパクトマンションやレバレッジを効かせた資産運用型の不動産投資は底堅い需要が続いていくものと考えられます。

~2年連続顧客満足度No.1獲得、居住用コンパクトマンションは計画以上の進捗~

このような環境下において、当社は適正な賃料と適正な利回りによる手ごろな販売価格で資産運用型不動産の販売を拡大し、一方では、居住用コンパクトマンションのユーザーへの直接販売を開始し、売上拡大に注力いたしました。また、ストック収入のベースとなるプロパティマネジメント事業におきましても、賃貸管理戸数で前事業年度末比10%以上、建物管理戸数では同20%以上管理戸数を伸ばすことができ、入居率においても業界最高水準の99.9%(平成29年3月末時点)を成し遂げることができました。これらの成果もあって、資産運用型不動産では2年連続の顧客満足度№1を獲得し、また、居住用コンパクトマンションについては、初年度ながら計画以上に販売が進捗し、売上高及び利益の予想からの上ブレに大きく貢献いたしました。加えて、以前より平成版働きがいのある会社ランキング不動産・住宅部門第1位、全業種中第5位を獲得するなど人的経営資源に注力してきましたが、当事業年度は当社の今後の成長の原動力としてさらに人的経営資源の成長力を高めるべく、また、今後の労働環境の変化等も念頭に人事制度の大改革に着手しました。この改革もあって、当事業年度は人的経営資源に向き合う一年となりました。

これらの結果として、売上高、営業利益とも予想を上回る業績となり、創業以来の14期連続増収増益を達成、経常利益の過去最高益更新を達成することができました。

今期の方針

~不動産×ITのサービス開発を継続~

オウンドメディアとして当社が展開する「不動産投資Times」では、業界初となるチャットによる相談機能を搭載しており、このサイトのインプレッション数の増加もあいまって、ユーザー数は着実に増加傾向にあります。特にこのサイトを入り口とする問い合わせ数、いわゆる反響数は、第3四半期から第4四半期にかけて200%超の増加率となっており、順調な集客につながっている状況にあります。このような状況と最近のスマートフォンやタブレット端末の普及、働き手の変化を勘案し、不動産投資についての相談や資料請求などのハードルを下げることを目的に、今後はAIメッセンジャーによるコミュニケーションツールを搭載できるよう、その企画及び開発に着手しはじめました。このように、ITツールによるコミュニケーションチャネルの拡大により、更なる効率的集客を目指すと同時に、不動産×ITという分野において、人工知能とビックデータによって価格相場を算定する「ふじたろう」のような、社会に影響を与えることができるサービス開発を積極的に検討していくことを予定しております。

~居住用コンパクトマンションによる住まい方の新しい選択肢の提案と更なる販売拡大~

また、不動産開発販売面においては、平成30年3月期も低金利の状況は続くことが想定されるものの、そのような中においても引き続き適正な販売価格を維持し、更なる販売拡大を図ることで、今期は(株)不動産経済研究所が公表している同業他社比較でもトップクラスとなる600戸以上の販売を予定しております。特に居住用コンパクトマンションのユーザーへの直接販売におきましては、その販売の現場において強いニーズがあることが感じられたことから、引き続き「住んで良し、貸して良し」という商品コンセプトのもと、「住まいの形、考え方を置き換える」という時代先取り思考での販売を確立するため、社内において「住み方の多様性(ダイバーシティ)」という考えのもと、ダイバーシティレジデンシャル部として、その販売部門を確立し、更なる販売拡大を目指していきます。具体的には、平成29年3月期の販売戸数が37戸であったのに対し、平成30年3月期はその倍にあたる70戸前後の販売を計画し、これも合わせて向こう2年間で200戸超の供給を行っていくことを計画しており、これにかかる物件開発は順調に進んでおります。また、この商品については、新たなブランドを立ち上げ、積極的に大手企業との提携を進めていくことを予定しております。

終わりに

平成30年3月期も始まって1ヶ月が過ぎました。不動産の節目と言われる2020年東京オリンピック・パラリンピックまであと約3年と迫ってまいりました。今後は、この節目に備えるため、また、自社の更なる成長のため、収益力の拡大と事業領域の拡大が非常に重要な経営課題になってまいります。

この経営課題に対し、現在の当社のリソース、チャンスを鑑みますと、マーケティングの反響により集客されたお客様との間に発生するニーズアンマッチへの対応や増加傾向にある訪日外国人観光客などへのサービス提供が収益力拡大や事業領域拡大のチャンスになると解しており、このチャンスのビジネス化を積極的に検討し、具体的なアクションを起こしていくことを考えております。

当社といたしましては、15期目も継続して増収増益を達成できるよう事業を遂行していく所存ですので、今後とも変わらぬご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

平成29年5月
プロパティエージェント株式会社

代表取締役社長
代表取締役社長 中西 聖