【 目次 】
不動産投資と一口に言ってもさまざまな投資対象があり、タイプに応じてそれぞれ特徴があります。不動産投資の経験やかけられる時間によって、適したタイプがあることをご存知でしょうか?ここでは個々の投資対象を比較し、それぞれがどのような投資家に適しているのかを詳しく説明していきます。
不動産投資はタイプごとに全く違う!
不動産投資とはその名の通り、不動産に投資をして物件を取得するなどして、家賃収入や売却益などにより利益を得ようとすることを指します。しかし、一口に不動産投資と言ってもどのような不動産に投資するかによって、投資の特徴は全く異なっています。
今回は不動産投資の投資対象について、主に三つの観点から投資対象を分類して解説していきます。
一つ目は物件の種別です。不動産投資で投資対象となる物件にはさまざまな種類のものが存在しますが、今回はその中でも代表的なマンションとアパートの違いについて説明します。二つ目は新築か中古かという観点です。同じ条件の物件であっても、その物件が新築であるか中古であるかによって大きく違いがあります。三点目は一棟所有か区分所有かという点です。物件を一棟全て所有する一棟所有と、部屋単位で所有する区分所有とでも違いがあります。
上記の三つの観点は不動産投資において購入する物件を選ぶ際に考えるべきである重要な観点です。どのような物件のタイプかによってどのような投資家に向いているかは異なります。そのため、自分自身の特徴に合った投資対象を選定することが、失敗しない不動産投資を行うためには必要不可欠なのです。
マンション経営とアパート経営の違い
それでは、一つ目の観点であるマンション経営かアパート経営かという点について考えていきます。
アパート経営の概要
アパート経営は、基本的にはアパート一棟を全て所有し、経営を行うというものです。建物だけではなくアパートの建てられている土地もまとめて所有することになるため、マンション経営に比べると投資額が大きくなることが通常です。そのため、区分所有のマンション投資よりも自己資金が多く必要になる場合も多いので注意が必要です。
マンション経営の概要
一方、マンション経営はアパート経営とは異なり、建物一棟を全て所有するものと、一部屋単位で所有するものの二種類が存在します。マンションの区分所有は比較的少額から始めることができますが、都心のマンション一戸と地方のアパート一棟が同じ額という場合も考えられますので、一概に安いとは言えない点にも注意しましょう。
リスクや利回りなどにおける違い
リスクにおける違い
リスクにおける違いとしては、一つ目に空室リスクという観点が挙げられます。詳しくは後述しますが、アパートは基本的に一棟所有のため、一つの部屋で空室が発生しても他の部屋で補うことができるのです。
二つ目に、災害リスクが挙げられます。アパートは木造が多いという特徴があるため、一つの部屋で発生した火災が燃え広がり、アパートが全焼してしまうリスクが高まると同時に、火災保険なども高く設定されている場合もあります。また、アパートは木造という点では鉄骨造などに比べて老朽化が早いことも多く、家賃を下げざるを得なかったり修繕費が多く発生したりする可能性もあります。
利回りにおける違い
利回りにおける違いとしては、一般的にはアパート経営の方がマンション経営よりも利回りが高いと言われています。これはアパートの室数の多さに由来しますが、この利回りはすべての部屋に入居者がいる状態でなければ実現することはできません。室数が多い分だけ一定の空室率は想定しなければなりません。ただし、これはあくまで一般論であり、物件によって当然異なります。
その他の違い
リスクや利回り以外の違いとしては、遮音性が挙げられます。アパートに比べるとマンションの構造はしっかりしていることが多いため、遮音性が高いという特徴があります。遮音性が低いと住民トラブルにつながる恐れもあるため、物件を選ぶ際にはこの点も考慮しましょう。
また、防犯性にも違いがあります。これもあくまで一般論ですが、近年ではオートロックや防犯カメラなどの防犯設備が充実しているマンションが多い一方で、アパートはセキュリティ面が手薄になってしまっているものも多く存在します。特に女性を中心に防犯意識が高まってきているということもあり、こうした観点も考慮すると良いでしょう。
ここまでアパート経営とマンション経営の違いについて説明してきました。それぞれにメリット・デメリットが存在しますが、大きな違いの一つとしてマンションの区分所有の方がアパートの一棟所有に比べて手軽に行えるという点が挙げられます。特に、不動産投資をこれまでやったことがなく新しく始めるという方や、普段はサラリーマンをしていて副業として不動産投資を始めようと思っている方などは、一室からのマンション経営が向いていると言えます。
新築と中古
続いて二つ目の観点である、新築物件か中古物件かという点について考えていきます。新築・中古それぞれのメリット・デメリットはアパート経営とマンション経営とで共通しているものがほとんどですので、以下、両者をまとめて紹介していきます。
マンションとアパートとで共通する新築物件のメリット・デメリット
- 新築物件のメリット
新築物件のメリットの一つ目に、まだ誰も使用していないため物件の価値が高いという点が挙げられます。そのため、周辺の条件の似た物件よりも高い家賃で貸し出すことができますし、入居率も高い傾向にあります。また、物件の評価が高いため、ローンの審査にも有利というメリットもあります。
二つ目は修繕費などが発生するリスクが低いという点です。新築物件を購入してからある程度の年数が経つまでは、災害などが起こらない限り修繕などは最小限に抑えることができます。
- 新築物件のデメリット
新築物件のデメリットとしては、価格が高いという点が挙げられます。新築物件は当然同条件の中古物件よりも価格が高くなりますので、空室率やキャッシュフローには常に注意する必要があります。また、価格が高いことが原因となって、利回りが低めになることもあります。
また、新築物件の場合は物件購入時に建物が完成していない場合、実際に入居が始まるまでに時間がかかるというデメリットもあります。特に工期が繁忙期と重なってしまっている場合などは契約締結をしてから収入を得られるまでに期間が空いてしまうこともあるので注意しましょう。
マンションとアパートで共通する中古物件のメリット・デメリット
続いて、中古物件のメリットやデメリットについて考えてみます。
- 中古物件のメリット
中古物件のメリットの一つに、物件の取得価格が安いという点があります。一度誰かが使用しており、新築物件と比べると価格が安くなるため、ローンなどの負担も軽くなるでしょう。それに付随して、取得価格が低いために利回りも良い物件が多いというメリットもあります。また、不動産市場に出回っている物件数も多いため、良い物件を見つけやすいという特徴もあります。
- 中古物件のデメリット
一方で、中古物件のデメリットとしては早い段階で大規模な修繕が必要になる可能性があるという点が挙げられます。中古物件と言っても様々なものがあり、建てられてから間もないものもあればかなりの年月が経っているものもあります。老朽化が進んでいる場合、購入してからすぐにリフォームや修繕が必要になってしまう場合もあります。大規模なものでは費用が数百万円になってしまうこともあるため、その点は十分に考慮しましょう。
また、空室リスクが高いという点もデメリットの一つです。中古物件であると設備が古いなどの問題で入居者が集まりにくい場合もあります。入居者を確保するために設備を入れ替えたり家賃を下げたりしなければならない可能性があることも念頭に置いておきましょう。
さらに、中古物件は建物の資産価値が低くなっているため、ローンの審査が厳しいというデメリットもあります。築年数が長い物件などは自身が希望する額の融資を受けられないこともあるため、まとまった自己資金が必要になる可能性があることも念頭に置いておきましょう。
ここまで新築物件と中古物件のメリット・デメリットについて解説してきました。新築・中古という観点では、不動産投資の経験が浅い、あるいは全くやったことがないという方には、運営等が比較的容易である新築物件が適していると言えるでしょう。
棟経営と区分所有
最後に、一棟経営と区分所有という観点について考えてみます。
棟所有のメリット・デメリット
- 棟所有のメリット
マンション経営とアパート経営の違いについて解説した部分と重なる点もありますが、一棟所有のメリットとしては、一つ目に空室のリスク分散ができるという点が挙げられます。不動産投資において、空室リスクは最大のリスクの一つです。区分所有で一戸しか所有していない場合は、その部屋が空室になると収入源がなくなってしまいますが、一棟所有であれば複数戸のうちの一つで空室が発生しても、それが全体の経営に与える影響は小さくなるのです。その点で、一棟所有ではリスクをある程度分散できると言えます。
- 棟所有のデメリット
棟所有のデメリットとしては、物件の購入価格が高くなるという点があります。所有する部屋数が多くなることで、必然的に価格は高くなり、必要となる自己資金の額も大きくなります。
また、立地の分散ができないという点も考慮する必要があります。同じ戸数でも区分所有では異なる地域にある物件を複数購入できますが、一棟所有では同じ敷地に複数の部屋を所有することになるため、災害などのリスク分散ができないというデメリットがあるのです。
区分所有のメリット・デメリット
- 区分所有のメリット
区分所有のメリットの一つ目は、やはり少額から始められるという点です。一棟所有よりも部屋数が少ないことで少額からの投資が可能です。このことに関連して、区分所有では資産に余裕ができたタイミングで少しずつ物件を買い足していくということも可能なため、自分のペースに合わせた投資を行いやすいというメリットもあります。
- 区分所有のデメリット
区分所有のデメリットは、一棟所有と比べて修繕などを行いにくいという点です。区分所有では一つの物件を複数人で所有しているため、ある程度の規模の修繕を行う際には管理組合などでの議決が必要となる場合もあります。そのため、自分が望むような修繕を行えない可能性があるということも知っておきましょう。
これらの点を踏まえると、不動産投資初心者の方やまずは少額から始めたいと思っている方は区分所有、自己資金が豊富にあり大規模に投資を行いたいと考えている方は一棟所有が適していると考えることができます。しかし、ここまで挙げてきた特徴は一部分に過ぎませんので、あらゆる要素を考慮した上で自分に適したタイプを選ぶことが大切です。
まとめ
今回はタイプ別の不動産投資の特徴などを中心に解説してきました。アパート・マンション、新築・中古、一棟・区分など様々なタイプの物件があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。自身の投資計画や目標に合わせてそれらの特徴を理解しつつ、最適な投資スタイルを見つけるようにしましょう。
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