【 目次 】
東京都は全都道府県の中で最も人口が多く、住宅需要の高さを期待できることから東京の物件が狙い目としばしば言われます。また、総合不動産サービス会社のジョーンズ ラング ラサール社による報告でも、魅力的な不動産投資先の上位7都市に東京都は選ばれています。この記事では、国際的にも注目を集める東京都の不動産投資の特徴とその魅力を解説します。
東京の人口と世帯数
まずは、日本全国及び東京の人口や世帯数の動向など、基礎的な情報を確認していきましょう。
日本全国の情勢
2015年の国勢調査によると、日本の人口は1億2,711万人となっています。人口が最も多いのは東京であり、次いで神奈川・大阪などが多くなっています。
現在日本の人口は減少傾向にあり、2010年からの5年間で94万7千人(0.7%)減少しています。その一方で、人口が大きく増加している都県も見られ、最も人口が増加しているのは沖縄で、次いで東京・愛知・埼玉の順となっています。
世帯数は日本全国で5,340万3千世帯となっており、人口が減少する一方、世帯数は増加傾向にあり、2010年からの5年間では145万3千世帯、つまり2.8%の増加となっています。世帯数の増加率は沖縄で最も多く、次いで宮城・東京で多くなっています。その一方で日本全国の1世帯あたりの人員は2.38人となり減少が続いています。
要約すると、全体として人口減少と世帯増加、それに伴う世帯規模縮小の傾向があります。原因としては、少子高齢化及び東京などの首都圏への人口集中が考えられます。
東京の情勢
日本全国の情勢でも東京の人口・世帯数の増加が目立ちました。東京の情勢を具体的な数字で見るとともに、他地域とも比較してみます。
以下が2015年の国勢調査を基にした東京の基本情報です。
- 人口:13,513,734人(5年前比69%増)
- 世帯数:6,692,089世帯(5年前比67%増)
- 1世帯あたりの人員:02人(5年前比0.04人減)
東京は全国の情勢とは異なった特徴を示しています。
人口が全国的に減少する中、東京では大幅に増加しています。東京都内に有名な大学や企業が集中しているほか、交通や娯楽施設なども充実しており、生活上の高い利便性を求めて地方から人口が流入していると考えられます。また、同じく増加している地域として沖縄がありますが、沖縄の場合は出産数が多いことによる自然増という異なる要因での人口増加です。
世帯数は全国の情勢と同様に増加していますが、全国平均と比べとても大きい増加率を示しています。詳しく世帯数の内訳を見ていきます。夫婦のみの世帯や、夫婦と子供のいる世帯、ひとり親と子供の世帯は横ばいまたは微増ですが、単独世帯は大幅に増加しています。2005年には244万4千世帯だった単独世帯が2010年には292万2千世帯となっており、5年間で約19.6%も増加しています。さらに、2010年から2035年までの25年間で10.9%増加する予測がされており、単独世帯が一層増えていく見込みです。この原因としては、人口流入と同様に大学生や社会人の一人暮らしの若者の東京への流入が挙げられますが、同時に未婚率の上昇、核家族化などの要因も考えられます。
1世帯あたりの人員は、全国平均と比べると大幅に少なくなっており、減少が続いています。特に23区内での値が小さく、23区内の1世帯あたりの人員は1.93人となっています。23区内での単独世帯の多さが伺えます。
東京の不動産投資の特徴
東京での不動産投資は、他の地域に比べてどのような異なった特徴を有するのかを説明します。
人口と世帯数からみた特徴
東京の人口や世帯数から推測できる不動産投資の特徴として、以下の二点が挙げられます。
- 賃貸需要が増え続けている
まず東京の最大の特徴は、他の地域と違い人口が増加していることです。そのため賃貸需要が増え続けており、今後も増え続けていくと予想されます。賃貸需要が増えていれば空室のリスクが減り、家賃の金額も保たれるので、不動産経営が安定しやすくなります。さらに賃貸需要が増えている一方で、供給量はあまり増えていません。このため不動産価格が安定して値崩れしにくいという特徴も併せ持ちます。 - ワンルームマンションやアパートへの需要がある
また単独世帯の増加傾向が顕著であることから、ワンルームマンションやアパートへの根強い需要が望めます。東京で不動産投資をする場合には、それらへの投資を検討し、比較対象として考慮する必要があるでしょう。
東京のマンション・アパートにおける特徴
- ワンルームマンション規制がある
都内ではワンルームマンション規制が行なわれていることを知っておく必要があります。東京ではワンルームマンションが高利回りの不動産投資として人気を得ていますが、新たなワンルームマンションを建てる際には、一定の条件を満たさなくてはいけないと自治体が定めています。
規制の内容は区によって異なります。例えば品川区では住居の最低面積を20㎡と定めたうえで、「30㎡未満の住戸が20~29戸の場合は2戸以上を40㎡以上にしなくてはいけない」と定めています。豊島区では最低面積は25㎡で「30㎡未満の住戸が9戸以上の集合住宅は、1戸あたり50万円を課税」と定めています。
こうした規制は、ワンルームマンションに居住する単身者が地域活動に参加しにくいことや、単身世帯では住民票を移さないままの住民も多く、税収が増えにくいことから採用された規制と言われています。
不動産投資の観点からワンルームマンション規制を見ると、両面の影響が期待できます。直接的には、東京ではワンルームマンションの供給が減り入手しにくくなると言えます。需要に比べて供給が伸びない以上、ワンルームマンションを含めた不動産価格は少なくとも下がりにくい状態が続きます。物件価格の上昇は利回りの低下など、投資の開始時にはデメリットとなります。一方で不動産経営の段階では、賃料も下がりにくく空室も生じにくい状態が続くため、メリットとして評価できます。 - 値段の幅が大きい
東京の不動産の特徴のひとつに値段の幅が大きいことがあります。例えば、同じ東京都内であっても、地域で価格は大きく異なります。山手線の内側は交通の便も良く人気とされ価格の高い物件が目立ちます。また、23区内か区外かでも価格はもう一段階変化しますし、それぞれの区にも特徴があり不動産価格は異なります。こうした事情に加えて、高い住宅需要から高級マンションも建設されやすく、物件によっては数十億をしのぐ場合もあります。 - 物件が手に入りにくい
諸条件が重なり、都心に近い物件には人気が集まり、手に入れにくい状況が生じています。冒頭でも言及したように、東京の国際都市としての人気も重なり、外国人からの需要の増加もこの一因となっています。それゆえ、投資に適した物件を得られるかどうかについては、東京の都心でも根強い物件確保能力を持っていたり、目利きがしっかりしていたりするような不動産会社との連携も重要になってきます。
東京の新築・中古物件における特徴
新築や中古といった一般的な分類についても、東京では独特な特徴が伴われます。具体的には以下の点が挙げられます。
- 中古の物件も需要が大きい
東京では中古の物件でも需要が大きく、他の地域に比べて値崩れしにくいという特徴があります。例えば築30年の物件があったとします。名古屋や大阪などの他の大都市ですら賃料は新築の時の約半分程度まで低下してしまいます。しかし東京の23区内であれば新築の時の7割から8割程度を維持できるケースもあります。築年数の経過した中古の物件にも需要が比較的大きいことから、他の地域とは異なる考え方を持っておく必要があります。
東京での不動産投資の魅力
東京の不動産投資の特徴を鑑みたメリットをまとめていきます。以下の点が挙げられ、非常に魅力が多いということが分かります。
- 不動産経営が安定しやすい
最大のポイントは不動産経営が安定しやすいということでしょう。東京都内の人口や世帯数の増加傾向は今後も続くと考えられます。投資用マンションの発売戸数は2007年をピークに一時減少し、現在はピーク時よりは低い水準で安定した供給が続いています。控えめな供給数に対して世帯数の増加が続くため、当面は需要の高い状態が続くでしょう。これらの要因から賃料の安定や空室率の低下が考えられ、不動産経営は安定しやすい環境だと言えます。 - 流動性が高い
不動産需要が高い状況下では、不動産を手放したくなったときに買い手がつきやすくなります。東京では今後も不動産需要が高い状況が続くと考えられるので、売却の判断を含めて豊かな選択肢を持った投資判断を行うことができます。手段が多い分リスク管理の面でも安心して不動産投資ができるでしょう。 - 中長期的に安定している
東京都内の不動産は築年数が経過しても比較的売値・賃料ともに値崩れが起こりにくいという特徴がありました。そのため中長期的に見た利回りが安定しやすいというメリットがあります。投資計画の見通しをつけやすいのは大きな魅力です。 - 融資が通りやすい
東京都内の物件は資産価値が高いため、融資を受けやすいというメリットもあります。都心の好条件の物件であれば、フルローンが通る場合もあるでしょう。 - 今後の成長も期待できる
不動産投資は長期的な投資であり、完全な予測の立たない数十年スパンの計画に不安を抱きがちです。しかし東京について言えば、今後もある程度の成長が予測できるという点が大きな魅力です。例えば2020年には東京オリンピックが控えていたり、現在都内の再開発が進んでいたり、世界的にも不動産投資に魅力的な街としても取り上げられ注目が高まっていたりするなど、今後も期待できる材料が豊富です。
東京の今後
最後に、日本の抱えている社会問題を考慮すると、東京の不動産投資は今後どのようになっていくと考えられるのかをまとめていきます。
- 少子高齢化
日本の総人口の減少は不動産投資に関わる中核的な問題です。人口減少により日本国内の不動産投資マーケットが停滞する可能性は十分にあります。しかし東京の人口は今後も増加傾向にあり、23区では人口のピークを迎えるのが2030年頃になるという予測もあります。東京の場合、当分は不動産投資の活況が続くのではないかと予想されています。 - 都心への回帰現象
近年は、都心に人口が回帰する現象が続いています。これは東京都内への流入人口が増えていることも原因ですが、東京からの流出人口が減っていることも大きな原因となっています。流出が減る理由としては、生活の利便性の高さを求めるニーズが高いことだと考えられています。
こうした動向の中で、最近では利便性の高い街の再開発が盛んになっています。例えば北千住の再開発はこうした傾向の典型例です。今後もこの傾向は続き、都内でも利便性の高い街の不動産には需要が高まると考えられます。 - 移民問題
少子化によって働き手が減っていることを受けて、外国人労働者の積極的な採用が進んでいます。今後移民政策によって外国人労働者が増えることが予想されます。特に東京は国際化が進んでいることもあり、国内でも顕著な外国人の増加が生じることでしょう。不動産投資にとっては需要が増えるため、空室率の改善などのメリットも見込むことができます。一方、外国人に特有のニーズを満たすという経営戦略も重要性を帯びてきます。新たな視点での戦略が必要となる可能性もあるでしょう。
東京の不動産投資の今後について現時点で可能な予測を試みました。総評すれば、日本全国では先行きが不安な点もありますが、東京の不動産投資では活況が続くと考えられます。ただし、都内であれば安心というわけでもなく、時代に伴う街と人の変化に合わせた戦略や対応が必要です。
まとめ
今回は東京の不動産投資の魅力について解説しました。日本全体では、人口問題を核にして、不動産市場の停滞が予測される一方、東京都に限定すれば人口・世帯数共に増加が続き、当面はむしろ不動産需要が高まり続けることが予測されます。概ね堅調な伸びが期待できると考えて良いでしょう。しかし東京都内でも地域によって利便性が異なり、再開発の計画や外国人の受け入れなど、時代に対応した様々な要素が物件の価値を左右します。物件情報はもちろん、そうした情報に通じた不動産会社とのパートナーシップを得られれば、東京の堅調な不動産市場での投資は検討に値します。
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