2020年3月期第2四半期を終えて

~想定を上振れて業績は進捗、業績予想・配当予想上方修正~

代表取締役社長 中西 聖

2020年3月期第2四半期は、2019年4月から6月の実質GDPが3四半期連続のプラス成長となったものの、世界景気が全般的に勢いを欠く状況となりました。これは、米中貿易摩擦の激化懸念や中国の景気減速などによる海外情勢の先行き不透明感によるものかと思われます。国内景気におきましても、非製造業は堅調ながらも、製造業の生産活動は足踏み状態となり、消費税増税後の国内消費の落ち込み懸念や日韓関係悪化によるインバウンド消費への懸念が景況感を下押しし、景気に足踏み感が出る状況となりました。その結果として、企業収益は高水準にあるものの、一進一退の様相となっており、コントラストがはっきりしてきたものと思われます。しかしながら、中国の景気下支え策による持ち直しの見通しや人手不足や設備老朽化による合理化・省力化投資、維持更新投資の堅調維持の見込み、消費税増税後の景気対策などにより、短期的には減速感が出るものの、内需にけん引される形で、緩やかな景気回復は継続する見通しとなっています。

不動産業界のうちマンション業界につきましては、2019年度上半期の首都圏マンション供給戸数が2割強、都区部のそれも2割弱減少する状況となっているにもかかわらず、契約率は好不調の境となる70%を下回る結果となっており、芳しくない結果となりました。また、都区部の平均価格は7,000万円台と上昇したものの、㎡単価は横ばいとなっており、価格に頭打ち感が出る状況となっています。収益不動産の領域につきましても、昨年の一部金融機関、不動産業者の不適切融資関係に端を発した一部融資環境の厳しさは継続しており、サラリーマン向け投資用アパートや不適正な融資基準を前提とした1棟収益物件、都心エリア外かつ利回りの確保できない収益物件などは引き続き販売が低迷する状況が続いています。しかしながら、当社が事業展開している都心エリアの物件で一定の利回りを確保し、適正な賃料にて投資家に提供しているような物件や資産性の高いコンパクトマンション、与信の高い富裕層向けに開発している都心のアパートにつきましては、金融機関の資金が集中する結果、エンドローンも変わらずの状況となっており、販売は好調を維持しています。

このように、昨年からの金融環境や不動産業界環境につきましては、立地や商品種別、顧客属性などにより、良いところと悪いところ、先行きの見えるところと見えないところのコントラストがはっきりしたという印象を持っています。当社がコントラストの白と黒、どちらであったかと言えば、ワンルームマンション投資や資産性の高いコンパクトマンション、収益性のある都心エリアのアパートを主としているため、白であったと言えます。その証拠に、当第2四半期は想定を上振れて業績が進捗しております。今年から、ファミリーマンションや戸建て、サラリーマン向け投資用アパートは軒並み業況が悪くなっていたため、当初はこれを懸念し、減益予想を出していましたが、この業績進捗、当社が展開している事業の確からしさから、業績予想の上方修正を出すに至りました。

~“足踏みダイエット”の効能~

上記の通り、業況への懸念から、期初において当社では“足踏みダイエット”という方針を打ち出しました。第2四半期の業績は、このような結果となりましたが、結果として、“足踏みダイエット”という方針を決定し、それを実行したことは非常に良いことであったと考えています。バランスシートのダイエットにおいては、自己資本比率をいまだ期中であるものの、前期末より5ポイント以上改善させることができ、DEレシオ、ネットDEレシオに至っては、想定の60%くらいまで低い比率に下げることが出来ました。コストのダイエットにおいては、全社員がコスト感覚を持って業務に取り組む方向に変わり、小さなものから大きなものまで無駄な販管費を省き、DXチームが業務の無駄の排除とデジタル化を推進した結果、月間で150時間、年換算で1,800時間分の工数削減を完了しました。今後も大きな工数削減に取り組んでいる状況にあり、今期末までに累積で月間350時間、年換算4,200時間の工数削減を目標に活動しています。これは、“足踏みダイエット”を標榜し、これを常に社員と共有することで成しえた成果であり、現在においては、会社の効率性を求めるダイエットにアドレナリンが出るような状態となっています。この“足踏みダイエット”という方針は、事業運営において、社員が変わるという本質的な効能を発揮したと考えています。

今後の方針

~“足踏みダイエット”から“登頂ダイエット”へ~

2020年3月期第2四半期は、上述の通り、想定以上の業績とすることが出来ました。当社といたしましては、この結果及びこの半年間の業況を鑑みて、既存事業の事業方針を、ダイエットは継続しつつ、足踏みではなく、登頂を目指す、つまりは、“足踏みダイエット”から“登頂ダイエット”へと転換することとしました。ここで言う「登頂」とは、まだまだ市場規模があると考えられる投資用不動産業界において、圧倒的シェアを取ること、圧倒的な生産性(当社では、一人当たり営業利益)を実現すること、またこれらに向けて圧倒的な成長率を成し遂げることを指します。この転換に至ったのには、この半年間の業況の見極めがあります。この環境下においても、当社が展開する不動産の種別を適切なエリア、利回りで提供している分には投資家へのローンがしっかり出ていること、また、世界的な低金利の状況により、当分は金利水準が低い水準で推移することが高い確率で見込まれることなどが要因として挙げられます。加えて、この適切なエリア、利回りを実現する開発用地情報入手における当社と同ポジションへの参入障壁の高さも最近では実感しており、これも要因として挙げられます。さらに、社内的なことを言えば、ダイエットの効能、実現を実感していることも要因であると言えると思います。

~登頂の道のり~

しかしながら、当社が進む登山道は、脆く、崩れやすいことも間違いないと思われます。そのため、財務体質の強化と市況変動リスクへの耐性強化を引き続き実施し、登る道に気を付けなければいけませんが、これに気を付けていれば、登頂可能な山であると確信は持っています。この方針のもと、既存の投資用販売、居住用販売のみならず、利益貢献が大きく、好調を維持する買取再販は、今後も買取の強化・拡大をし、中間富裕層向け都心アパートは今後に備えて用地取得、開発の拡大をしていくこととしています。

~DX(デジタル・トランスフォーメーション)、新規事業について~

一方で、既存事業とは別に新規事業につきましては、従前からの方針を変えておらず、積極的に事業開発を行っていく方針としています。新規事業の一つである不動産クラウドファンディングにつきましては、会員数獲得の足掛かりとして、セゾン永久不滅ポイントとの連携検討を開始し、これに対応するためのサイト開発を追加で実施し、国土交通省の電子取引業務の認可を待っている段階ではありますが、全体としては順調に進んでいます。この他の新規事業につきましても、検討を着実に実行しており、もう少しで形になりそうな事業が見えるという部分も出来てまいりました。また、DXの推進につきましても引き続き積極的に行っていくこととしており、社内外に影響する範囲であらゆることを実行しています。その一つとして、不動産売買の電子契約の導入やIT重説の社会実験への参画などを行っています。まだまだアナログな不動産業界において、積極的にITを活用して、ユーザーの利便性、取引の円滑化を図る、すべてはお客様のために、当社の経営理念のもと、この顧客志向から外れずにいろいろな取り組みを継続していくこととしています。

終わりに

~創業以来の17期連続増収増益、増配の実現を目指して~

2020年3月期第2四半期決算発表と同時に、業績予想と配当予想の上方修正をいたしました。当初減益予想から一転、足許の好調を受けての修正となります。この業績予想を着実にクリアすることで創業以来の17期連続の増収増益となります。これもひとえに株主の皆様の当社へのご理解とご支援の賜物と感じております。この日頃からご支援いただいている株主の皆様の期待に応えるべく、確実に業績を達成し、上方修正後の配当を実行できるよう、登山道に気を付けながら事業に邁進してまいりますので、何卒引き続きのご支援を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。

2019年11月
プロパティエージェント株式会社

代表取締役社長
代表取締役社長 中西 聖

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