今は売り時?不動産投資における7つの「売却タイミング」と見極め方

今は売り時?不動産投資における7つの「売却タイミング」と見極め方

不動産投資を始める際、特に気になるのは毎月どれだけ家賃収入を得られるかという、いわゆる「利回り」の高さかもしれません。しかし、いくら利回りが高くても、売却時に損失を出してしまっては、不動産投資は成功したとはいえません。
不動産を高く売る秘訣は、適切な売却のタイミングを見極め、計画的に売却することです。今回の記事では、不動産売却に適切なタイミングや、売却に必要な準備と流れについてご紹介します。

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投資した不動産は今、売っていい?

当然のことながら、不動産の価値が上昇した際に売却すれば、より多くの売却益を得ることができます。それでは、現在は売り時なのかどうか、不動産市況を確認してみましょう。

収益物件検索サイト 健美家の発表したデータによると、区分マンションの価格はやや上昇傾向にあることが分かります。
特に東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県においては、2012年から2021年までの10年間に価格が2倍近くまで上昇していますので、売り時であるといえます。

参考:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや) 収益物件 市場動向 四半期レポート 2021年1月~3月期

不動産投資における売却に適したタイミング

当然のことながら、安く購入した物件を価値が上昇したタイミングで売ることで大きな売却益を得ることができます。
先ほどご紹介した通り、現在は不動産価格が上昇傾向にありますので、売却には適したタイミングであるといえます。

しかし、売却の好機は不動産価格が上昇した場合にのみ限られるわけではありません。多額の費用が発生する場合や、資産価値が下降傾向に入る頃を見計らって売却するというのもひとつのタイミングです。

不動産投資における、売却に適した7つのタイミングをご紹介します。

大規模修繕の前

区分マンション投資を行っている場合、月々修繕積立金を管理組合に支払い、管理組合はそれをもって大規模修繕を行ないます。

区分の投資用マンションではほとんどのケースにおいて、修繕積立金は段階積立方式といって徴収する修繕金が数年毎に上がる方式をとっています。また、工事費の上昇や予想を超えた劣化など、さまざまな要因により一時徴収金を請求されるケースがあります。

このように多額の出費やランニングコストの上昇が発生するときは、不動産の売却を検討するひとつのタイミングです。

築年数20年を迎える前

築20年は住宅にとっての節目だといわれています。
水回りや内装などのさまざまな設備の修繕や交換が出る時期であることから、それを目安に売却するという考え方もあります。
それだけ古い物件になると売れなくなるのではと心配されるかもしれませんが、築年数20年の物件に興味を示す投資家も多くいます。
その理由としては以下2点が挙げられます。

1】下落リスクが少ない
不動産の価値は新築時が最も高く、築古になるにしたがって資産価値は基本的には下降します。しかし、下降のスピードはだんだん緩やかになり、20年以降はほぼ横ばいになります。そのため築20年以降の物件は下落リスクが少なく、投資家にとってはお買い得な投資用不動産となります。

▼築年数ごとの価格変動についてはこちらを参照ください
築年数に注目!経年劣化による不動産投資影響と価値下落を回避する物件選定法

2】リフォームやリノベーションの普及
現在では中古物件をリフォームまたはリノベーションして新たな価値を生み出すことが受け入れられやすくなっています。安く物件を購入し、手を加え、新築物件同様のグレードにしてから新築物件と同レベルの家賃を得たいというオーナーも多く、築古物件の人気は増しています。

入居者がいるとき

区分マンションを売却する際、入居者がいるときは「オーナーチェンジ物件」として扱われます。

オーナーチェンジ物件は入居者を探す必要がなく、購入時から家賃収入が得られるため、投資家からのニーズが高い物件です。
もちろん、居住用物件として販売できないというハンディキャップはありますが、単身世帯が住むワンルームマンションであれば、購入者の多くが投資家であるため、入居者がいる方が売却のタイミングとしては有利であるといえます。

路線価が上昇しているとき

路線価とは土地につけられる「公的な価格」の一種で、相続税評価額のことを指します。路線価を使用して宅地を評価する方法を路線価方式と呼び、市街地にある宅地は路線価方式で評価されます。

路線価を0.8で割った額がおおよその公示価格になることから、路線価は不動産相場を考えるうえでも重要な指標とされています。路線価が上昇している時は、高値で不動産売却ができるタイミングであるともいえるのです。

路線価は国税庁のホームページに「路線価図・評価倍率表」として公開されているため、自分で調べることもできます。

参考:国税庁 路線価図・評価倍率表

減価償却が終了するとき

不動産投資のキャッシュフローに大きな影響を与えるのが「減価償却」です。
不動産は経年劣化により年々資産価値が減少しますが、その減少分を「減価償却費」として経費に計上することができます。

減価償却期間は木造の住宅は22年、鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄筋コンクリートの住宅は47年と定められています。たとえば築10年の木造住宅を購入した場合、減価償却期間は12年となります。
減価償却が終了すると経費が少なくなる分所得が上がり、所得税や住民税が増えてしまいます。収益が大きく下がる要因になりますので、その前に売却を検討するというのもひとつの戦略です。

▼減価償却の基礎知識についてはこちら
減価償却とは?対象となる固定資産や計算方法を初心者向けに解説

デッドクロス到来が到来する前

ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態を「デッドクロス」といいます。

ローンの元金は経費として計上できないため、デッドクロスが到来すると帳簿上は利益が出ているにもかかわらず、その利益に課される所得税額が増えるために純粋な利益は減少します。
状況によってはキャッシュフローがマイナスに転じることもありますので、デッドクロス到来のタイミングで不動産を売却することも検討しましょう。

ただし、デッドクロスのリスクを恐れるばかりに早期に不動産を売却してしまうと、かえって総利益がマイナスになってしまう場合もあります。デッドクロスが来るから売却する、というのではなく、不動産の利回りやローン返済額を考慮し、デッドクロスがいつ訪れるのか、どのように対処するかを購入段階で考えておくと良いでしょう。

▼デッドクロスの仕組みがわかる記事はこちら
黒字倒産のリスク?デッドクロスの仕組みと賃貸経営の破綻を回避する方法を紹介

2~3月の引っ越しシーズン

引っ越しシーズンである23月はマンションの需要が上がり、賃貸の繁忙期です。その頃に売却のタイミングを合わせると売却しやすくなるでしょう。

次の項でご紹介する通り、不動産の売却には3~6ヶ月程度かかりますので、811月頃から売却活動に入ると引っ越しシーズン時に売却タイミングを合わせることができます。

不動産を売却するための準備と流れ

不動産は流動性の低い資産であり、売りたいと思ってすぐに現金化できるものではありません。また、売却時にはさまざまな手続きや準備が必要になります。
売却までに3~6ヶ月程度かかりますので、適切なタイミングで販売できるよう、スケジューリングと準備は綿密に行っておきましょう。

売却前の準備と売却の流れを簡単にご紹介します。

売却前の準備

まずは売却前の準備として、以下3点は早めに済ませておきましょう。

1】マンションの管理会社への連絡
まずはマンション管理会社に連絡し、組合員の「資格喪失届」と、管理費・修繕積立金の清算を行います。売却が決まってからでも構いませんが、売却の意思を早めに管理会社に伝え、提出方法や精算額を明らかにしておくことで、売却までの流れがスムーズになります。

2】不動産市場や価格相場の調査
不動産会社に査定を依頼する前に、自分である程度の相場を把握しておくと交渉がしやすくなります。今では販売中の不動産情報が見られるポータルサイトがありますので簡単に調べることができます。立地、築年数、種別、間取りなどの条件を絞り込み、自分の所有している不動産と似たものを探して市場価格をつかみましょう。

3】必要となる書類の準備
不動産売却をする際に必要となる書類を確認し、あらかじめ準備しておきましょう。区分マンションの売却時に必要な書類として主なものは以下のとおりです。

・身分証明書
・権利証、登記識別情報
・登記簿謄本
・実印、印鑑証明書
・マンションの管理規約
・マンションの維持費等の書類
・固定資産税納税通知書
・購入時の売買契約書

売却の流れ

売却前の準備を済ませたら、いよいよ実際の売却行動に移ります。簡単に流れをご紹介すると以下のようになります。

1】仲介売買業者への相談、選定
一般的に、不動産を売却する際には不動産会社などの仲介売買業者に媒介を依頼します。複数の業者に相談し、相場をつかむとともに、条件の良い業者を選ぶようにしましょう。

2】媒介契約の締結
業者を選んだら媒介契約を締結します。

契約法は大きく分けて複数社と契約する「一般媒介契約」と、一社とのみ契約する「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3通りがあります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、よく比較検討したうえで契約を結びましょう。

▼3つの契約法の詳細についてはこちら
不動産投資は出口戦略が重要!売却における注意点を徹底解説

3】売買契約
購入希望者が現れたら希望条件の調整を行い、双方が了解したうえで売買契約に進みます。売主と買主および双方の仲介業者が集まり、売買価格、売買する不動産に関する情報、引渡し時期などが明記された売買契約書を交わして売買契約の手続きを行います。

4】決済・引渡
契約後、決済をしてマンションを引き渡します。決済の段階で住宅ローンが残っている場合は、この時点でローンの一括返済を行います。また、不動産会社への仲介手数料は、一般的に契約締結時に半額、引き渡し時に半額支払うことが多いため、ローン返済と仲介手数料の支払いが重なり、大きな出費になる場合もあります。あらかじめ資金を確保しておくようにしましょう。

5】確定申告
マンションを売却して利益が出た場合は、確定申告を経て譲渡所得税を納める必要があります。損失が出た際も確定申告を行えば翌年に損失を繰り越せる特例が使える場合がありますので、必ず行うようにしましょう。

不動産の売却にかかる費用・税金

不動産売却にはさまざまな費用や税金がかかります。そうした点も考慮に入れて売却するか否か判断するようにしましょう。不動産売却にかかる費用と税金を以下にご紹介します。

不動産売却時にかかる費用

不動産売却時には以下のような費用がかかります。

1】仲介手数料
売買契約が成立した際、仲介業者に支払う成功報酬です。一般的には以下のような計算式で求められます。

不動産の売買価格(税込) 手数料の上限
200万円以下 5% +消費税
201万円以上400万円以下 4%+2万円 + 消費税
401万円以上 3%+6万円 +消費税

 

2】登記費
ローンを完済した際は抵当権の抹消と、所有権移転登記の手続きをする必要があります。司法書士への手数料も含め、5,000~4万円程度かかると考えておくと良いでしょう。

3】ローン返済費
先ほどご紹介した通り、不動産を売却する際にはローンを一括返済する必要があります。その際に金融機関により繰り上げ返済手数料がかかるケースもあります。

4】証明書発行費
先ほどご紹介した通り、不動産売却時にはさまざまな書類が必要になります。印鑑証明書や住民票などの証明書の発行には手数料がかかりますので、これも売却に必要な費用に入ります。ただし、1通数百円程度ですので大きな負担にはならないでしょう。

不動産売却時にかかる税金

続いて不動産売却時にかかる税金についてご紹介します。特に譲渡益課税は税率が高いうえ、所有年数によって税率が変わりますので必ず確認しておきましょう。

1】印紙税
不動産売却の際、不動産売買契約書に印紙税が課税されます。税額は契約金額によって異なります。また、記載金額が10万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和4年3月31日までの間に作成される契約書に関しては軽減措置の対象となります。詳細は国税庁のホームページをご覧ください。

参考:国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

2】譲渡益課税
物件の売買を行って利益を得た場合、その利益である譲渡所得に対して税金が発生します。その税率は物件を所有していた期間によって変動します。

  保有期間 所得税 住民税 復興特別所得税※
短期譲渡所得 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下 30% 9% 0.63% 39.63%
長期譲渡所得 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える 15% 5% 0.315% 20.315%

※平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付する必要があります。
短期譲渡所得と長期譲渡所得では税率が倍近く違いますので、それも考慮に入れて売却のタイミングを考えると良いでしょう。

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不動産を売却するタイミングで注意すべき点

先ほどご紹介した通り、不動産を売却するにはローンを完済していることが必要です。ローンの残額が売却益を超えている場合は赤字になってしまいますので注意が必要です。
ほかにも、不動産を少しでも高く、またスムーズに売却ためにはさまざまな注意点があります。

以下の記事にまとめていますので併せてお読みください。
関連記事:不動産投資は出口戦略が重要!売却における注意点を徹底解説!

プロパティエージェントに任せて不動産を高く売却!

不動産を高く売るためには、最良のタイミングを見極め、信頼できる不動産会社に売却活動を委託することが重要です。プロパティエージェントではオーナー様の大切な資産である不動産の価値を維持し、運用だけではなく売却も徹底的にサポートします。プロパティエージェントならではの強みをご紹介しましょう。

購入から売却まで徹底サポート

先ほどご紹介した通り、不動産売却のタイミングは不動産市況や景気、自身の運用プランなど、さまざまな要素から見極める必要があります。そうした要素を全て考慮し、所有している不動産がどれくらいの価格で売却できるのか、どう売却するのかを判断するのは容易ではありません。

プロパティエージェントでは、長期的な資産運用だけではなく、不動産の売買仲介や投資不動産の買取・買替についても専門知識豊富なスタッフがライフステージに合わせた運用法をご提案させていただきます。購入から売却までを一気通貫でサポートしますので、安心して運用を行っていただけます。

適切なマンション管理により、長期に渡り高い資産価値を維持

たとえ適切なタイミングで販売できたとしても、不動産の資産価値自体が下落していては大きな売却益は得られません。特に長期間に渡り不動産を保有する場合、管理の質によって、数年後、数十年後の資産価値に大きな差が現れます。

プロパティエージェントはマンション管理のプロフェッショナルとして、あらゆる場面でご要望に沿った円滑なマンション管理を行うことで、皆様の大切な資産を守り続ける事をお約束いたします。

参考:マンション管理のプロが語る!不動産投資で見落としがちなマンション管理の重要性

まとめ

不動産を売却する際には、不動産市況や景気、運用におけるキャッシュフローなど、さまざまな要素から判断し、最適なタイミングを見極める必要があります。また、売却には費用や時間がかかるため、それも考慮して売却活動を行わなければなりません。

いつ、どのように不動産を売却するかという「出口戦略」を購入時から大まかに決めておき、その後の状況に合わせて軌道修正を行いながら運用を行うことが重要です。

プロパティエージェントでは、不動産の仕入れから販売、管理、売却までを一気通貫で行っており、その不動産を知り抜いているからこその適切な出口戦略をご提案することが可能です。ぜひ、一度ご相談ください。


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