【 目次 】
金融機関のローンを活用して不動産投資を行う場合、ローン実行までの流れのひとつに「金銭消費貸借契約」と呼ばれる金融機関との面談があります。自宅購入など借入れをしたことがない人にとっては何をするのかわからないでしょう。また自宅購入の経験があっても、投資用ローンの金融機関との面談とは違いがあります。今回は投資用ローンにおける金融機関面談の内容と注意点を解説します。
不動産投資のローンについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
投資用ローンの承認を受けるまでの流れ
一般的に、不動産会社を通して金融機関から融資を受けて不動産を購入するまでの流れは下記のようになります。
※各金融機関によって異なる場合があります。
(1)仮審査
不動産会社を通じて、昨年の年収や勤務先、資産状況などの情報をもとに融資可能か金融機関へ確認をします。その際、名前や住所など個人を特定する個人情報は不要となっており、匿名で融資可能か否か、その他なにか条件が付くかなどの確認が可能です。
(2)本申込み・契約
購入する物件が決まったら物件の申込みを行い、不動産会社と売買契約締結をします。その契約をする際に、金融機関のローン申込み書類などに記入・押印を行います。このローン申込書はローン打診書類として、不動産会社から金融機関へ渡り、事前審査が行われます。
(3)事前審査
ローン申込書やその他の必要書類を元に金融機関にて審査が行われます。ここで何かしらの不備や金融機関から不明点などの確認があれば不動産会社を通じて連絡がきます。大体、事前審査結果は、数日~1週間ほどになります。
※金融機関によっては事前審査がなく、本審査に入る場合もあります。
(4)本審査
事前審査がある場合は、その後、金融機関内にて再度書類を基に社内審査が行われます。1週間ほどで、不動産会社の担当者を通じて結果の連絡がきます。
(5)金銭消費貸借契約(金融機関面談)
金融機関の担当者と最終審査をかねて、30分~1時間ほど面談を行います。
詳細は、2章で詳しく解説していますので、そちらをご確認ください。
(6)融資実行
金融機関よりローン実行が行われます。同時に物件の所有権移転も行われ、不動産投資が開始となります。翌月、もしくは翌々月の金融機関の指定日にローン返済が開始します。
▼不動産投資ローンに必要な書類については以下を参照ください。
不動産投資ローンとは?具体例や金融機関の選び方、融資審査に通るコツを解説!
金銭消費貸借契約(金融機関面談)の役割
上述した投資用ローンの承認を受けるまでの流れを見て頂くと、「本審査で承認がされた時点でローン審査を通過した」と思われる方もいらっしゃるかと思います。実際、本審査でローン承認がおりた場合、ほぼ「承認」となりますが「確定」ではありません。ローン実行までに、最終審査となる金銭消費貸借契約(以下「金融機関面談」)が行われます。一般的に、金融機関面談で行われることは主に下記の3つです。
金融機関面談で行うこと
■ローン内容、ローンにおける条件やリスクの確認
■融資対象人物の確認
■抵当権設定、団体信用生命保険契約など
ローン内容、ローンにおける条件やリスクの確認
契約日、ローン年数、ローン額、金利、遅延損害金、完済日などの最終確認を行います。事前に記入したローン申込書などを元に確認が行われているので、再度よく確認するようにしましょう。また、ローンに関する疑問点や不明点を直接、金融機関の人に尋ねられるチャンスなので、面談前に疑問点など用意するとより良いでしょう。
融資対象人物の確認
次に、融資対象者(借りる側)の確認です。あからさまに「あなたの人物性を確認します」というわけではないですが、面談進行中も融資する人はどういった人なのかを見られています。
稀に、融資をしてもらう立場という心構えではなく、「お金を借りてあげるのだから茶菓子を出せ!」「もっとVIP対応をしろ!」など横柄な態度や暴言を吐く方がいます。こういう場合、金融機関としても後々、何か面倒なトラブルが起きる可能性があると考え、融資懸念に繋がります。
お金を借りて返済を行うものの、ローンがないと不動産投資は出来ないわけですから、横柄な態度や暴言を吐くなど「融資したら危険」だという印象を与えないようにしましょう。
抵当権設定、団体信用生命保険契約など
最後に、抵当権設定や団体信用生命保険の加入契約を行います。
抵当権とは不動産投資ローンを組む際に、金融機関が借り手側の不動産(物件)を担保として設定できる権利です。簡単に言うと、お金の貸し手である金融機関が、借り手側に対して貸したお金が返ってこない場合のために返済代わりのリスクヘッジということです。
▼抵当権の基礎知識についてはこちら
根抵当権と抵当権の違いとは?比較や登記・抹消方法まとめ
次に、団体信用生命保険とは、借り手側が死亡した場合や高度障害などと診断された場合に、ローンの残債を保険会社がお金の貸し手である金融機関に代わり支払ってくれる保険です。
金融機関としても債務不履行へのリスクヘッジでもあり、ローンを借りる側としても、万一があった場合に残された家族に負債を残さないで済む仕組みです。尚、団体信用生命保険はローンの金利に組み込まれているので別途のコスト負担は不要です。
これらの手続きは借り手側にも貸し手側にとっても非常に重要なものなので、説明を聞き漏らすことがないように気をつけましょう。
▼団体生命保険について確認しておきましょう
不動産投資での重要ワード「団体信用生命保険」とは?
金融機関面談時によく聞かれる質問
基本的には、まず身分証などで身分確認が行われます。そして、仕事内容、家族構成、現在の保有資産額などローン申込内容と相違がないか聞かれます。
以下に、投資用ローンを受ける際に金融機関によく聞かれる一般的な質問をまとめました。
配偶者、両親などの家族は知っているのか?
この質問をされる意図としては、ローン返済などの書類が金融機関から自宅へ郵送されるため、家族に黙ってローンを借りて不動産投資を始めた場合、あとから親族によるクレームやトラブルが起きてしまう懸念があるためです。不動産投資をするという事実を家族が知っている方が金融機関の心証は良く、逆に隠している場合は金融機関の懸念材料になる場合があります。
実際に購入する物件は見たか?
購入する物件を実際に見ていても、見ていなくても融資に問題はありません。
しかし、見ていた方が「不動産投資への本気度が高い」とみなされ心証は良いでしょう。
また、不動産の営業担当者が「物件を見たいと希望したものの見せずに販売する悪質なケース」もあるので、融資される側の確認もそうですが、間にいる不動産会社の顧客へ対する対応を見ているとも考えられます。
転職の理由は?
直近で転職をしている場合や、転職回数が多い人に対してよく聞かれる質問です。
この質問の意図としては、仕事が長続きしないなどのネガティブな理由なのか、年収アップに伴うキャリアアップといったポジティブな理由なのかを確認しています。
もし、ネガティブな理由であれば、ローン返済において不安材料になります。その場合、金融機関としては融資実行に慎重になってしまいます。万一、ネガティブな転職が多い人は、今後はしっかりと仕事も頑張り、返済が滞ることはないと金融機関を安心させられるような誠意が求められます。
▼金融機関がプラスに捉える5つのポイントがわかります
不動産投資の融資は厳しい?銀行が融資を決める条件と通りにくい人の特徴
不動産運用の動機は?
恐らくほとんどの人が不動産投資の動機について質問されるでしょう。
動機は、年金対策、生命保険代わり、資産形成など様々かと思いますが、正直に答えて構いません。
しかし、「短期売買目的」や「即売却」というと心証はよくありません。この質問の意図として、金融機関は長期貸し出しをすることによって金利で利益を出すため「短期売買で利益を獲得のため」と答えると嫌がられる可能性が高いです。
▼短期譲渡における税金に関する関連記事
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金融機関面談時の疑問点や注意点
では、次に金融機関との面談時における疑問点や注意事項を解説します。
当日の服装
基本的に自由です。スーツなど正装でなくても普段着で問題ありません。
面談の曜日や時間
各金融機関によって面談の対応可能日・時間が異なりますが、平日の10時~19時頃というケースが多いです。土日でも対応している金融機関も中にはあるので、どうしても都合がつかない場合などは早めに営業担当に相談することをオススメします。所要時間は1時間程度になります。
面談場所
各金融機関によって異なります。
Webでの面談を実施している金融機関、支店来店型、不動産会社の会議室、都合の良いカフェまで出張型など様々です。対応可能な日時が限られている場合は、事前に確認しておきましょう。
人数制限
各金融機関によります。
あくまで常識の範囲内での話にはなりますが、基本的に制限はありません。
ほとんどの方はお一人で来られますが、奥様や旦那様も同席したいとご希望される方もいらっしゃいます。その場合は、面談の前に営業担当を通じて金融機関に伝えておくのが良いでしょう。因みに、忙しいからという理由で代理人に参加させるのはNGです。
金融機関への対応
嘘、暴言、横柄な態度は絶対にやめましょう。
2章でも触れましたが、虚偽や暴言・横柄な態度をとると融資が白紙になる可能性があります。
虚偽に関する例えでいうと、ローンを組む際にほとんどの方が団体信用生命保険にも加入をします。団体信用生命保険は、糖尿病などの身体の病気や、鬱病などの精神的な病がある場合、また妊娠中の場合などは事前申告義務があります。ローン審査を有利にしたいあまりに虚偽報告をする人もいるので、健康上など問題がないかも面談時に確認します。
他にも事前に現在の保有資産額を聞かれている場合に、ローン審査を有利にするため、多めに申告をしてしまう人がいます。再度、面談時の確認で事前に偽って記入した資産額を忘れてしまった場合やエビデンスを求められた際に、保有資産額に相違が起きてしまいます。
万が一、虚偽報告が発覚した際には、金融機関からの信頼が無くなり、融資が白紙になる可能性が高いです。後から発覚してしまうような嘘はつかずに、正直に報告をするようにしましょう。
まとめ
今回は、金融機関から不動産投資ローンを受ける過程に待ち構える金融機関面談についてまとめました。これから初めて不動産投資ローンを受けようと検討中の方や金融機関面談を控えている方は是非、参考にしてみてください。
プロパティエージェントでは、1オーナー1担当制で初回面談時から購入後までサポートをさせて頂いております。不動産投資だけではなく、金融機関面談など初めてのことにおける不安点や疑問点などのサポートをしっかり行っておりますので不動産投資が初心者の方にもご安心頂けます。
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