【 目次 】
投資用不動産を購入するときに、ほとんどの人が受ける融資について、「融資は借金だから不安」と敬遠する人も多いのではないでしょうか。
しかし実際は、信頼できる不動産会社を通して適正な金額で融資を受ければ、メリットを得ることもでき、不動産投資をより効率的に行うことが可能です。
今回は、不動産購入時に利用する「融資」をテーマに、融資を受けるメリットやコツ、融資を受ける際の流れについて解説します。
これから不動産購入を検討している人は是非参考にしてみてください。
不動産投資のローンについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
不動産投資で融資を受ける3つのメリット
まずは、不動産投資で融資を受けるメリットから紹介していきます。
投資用不動産を購入する際、融資を受けることに躊躇したり「多額の借金を背負うことになる」というイメージをお持ちではないでしょうか?
しかし、不動産投資は融資を受けることでメリットが得られるので、投資用不動産を購入する際、ほとんどの人が融資を活用しています。
- 少額の頭金で、自己資金の何倍もの物件を購入できる
- 家賃収入でローンが返済できる
- すぐに始められる
融資を受けるメリットについて、詳しく解説していきます。
少額の頭金で、自己資金の何倍もの物件を購入できる
例えば、株式投資などの場合は、10万円の自己資金では10万円分の投資しかできません。
しかし、不動産投資は金融機関からの融資を受けることで自己資金の何倍もの投資ができるのです。
例えば不動産投資の場合は、10万円の自己資金があれば、融資を活用して3,000万円分の投資が可能になります。
▼【例】自己資金10万円、35年ローンで3,000万円の物件を購入した場合
自己資金 (頭金) |
10万円 |
---|---|
物件購入費 | 3,000万円 |
融資金額 | 2,990万円 |
年間収益 (家賃収入) |
150万円 |
年間利息額 (借入額2,990万円、金利2%、初年度の場合で計算) |
59万8,000円 |
実質利益 (年間利益-年間利息額) |
90万2,000円 |
実質利回り(%) (実質利益÷(物件購入費-頭金10万円)×100) |
3% |
*上記の数値はあくまでも例です
このように、2,990万円の融資を受けることで、自己資金の約300倍もの物件を購入できるのです。
ローンを組んで投資ができる点は、不動産投資の大きな特徴といえるでしょう。
家賃収入でローンが返済できる
例えば、高額な時計や車などもローンで購入しますが、時計や車が利益を出すことはありません。その場合ローンは自己資金から返済することになります。
しかし、不動産の場合は家賃収入として利益が入るため、家賃収入をローン返済に使用できるのです。
また、融資を受けることで、なるべく評価額の高い物件*を購入出来れば、その分家賃収入も安定するためローンの返済も安心できます。(*評価額の高い物件:好立地や築浅など好条件なことが多いため、物件価格も高め)
一方、融資を受けずに自己資金の範囲内で物件を購入する場合、評価額が低く家賃収入が安定しない物件を購入することになるかもしれません。
確実に家賃収入が得られる物件の融資を受けて、家賃収入でローンを返済していくことが不動産投資の基本です。
すぐに始められる
先ほどの例でいうと、10万円の自己資金で3,000万円の物件を購入したい場合、融資を受けないと2,990万円の自己資金を貯めるための期間が必要になります。
不動産投資で融資を受ける場合、資金を貯める期間が不要になるため、すぐに不動産投資を始められることも大きなメリットといえるでしょう。
なお、自己資金ゼロでも融資を受けられますが、金融機関から融資を受ける場合は自己資金がある人に比べてローン金利が高くなります。自己資金は無いよりあるに越したことはありません。
また、物件価格の1〜2割の頭金や諸経費などが必要になることも多いので注意しましょう。
2022年は融資が厳しいって本当?
不動産投資を始めようと思っている方の中には、ロシアによるウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済の変化で「融資を受けるのは厳しいのではないか?」と思われている人もいるのではないでしょうか。
融資が厳しいかどうかは、融資を受けたい理由によって異なります。
ウクライナ侵攻や新型コロナウイルス感染拡大により、景気や物価の影響を受け、経営難に陥る企業や生活難に陥る人が急増しました。
経営難の企業や生活難の人に対する融資は厳しい状況にありますが、不動産投資に関する融資は別物であり、このような状況下であっても融資が厳しいということはありません。
また、インフレの影響を受けにくい資産である不動産投資の重要性が高まっている今でこそ、不動産投資を始める絶好のタイミングといえます。
このように、「世界経済の影響を受けていて不動産投資の融資が厳しい」という状況ではないため、前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。
金融機関が融資を決める条件
ここからは、より詳しく金融機関が融資を決める条件について解説していきます。
融資審査では【1】個人の属性と【2】物件の収益力が基準となり、返済能力がある人なのか、融資した金額を回収できるかどうかを確認しています。
条件【1】個人の属性とは
個人の属性とは「返済能力がある人なのか」を確認するもので、主な審査項目は以下の通りです。
多くの金融機関では、満25~55歳の年齢制限を設けています。また、勤続年数は長ければ長いほうが良い評価に繋がります。
そして、もちろん年収は多ければ多いほうが、返済が滞る心配が減るため銀行も融資を通しやすいです。
条件【2】物件の収益力とは
物件の収益力とは「融資した金額を回収できるか」を確認するもので、主な審査項目は以下の通りです。
ローンの返済が滞った時のために、金融機関は融資対象の物件に抵当権を付けます。
融資対象物件の収益力があるかどうかを審査するには、中長期にわたって入居者が付くのか、資産価値は維持していけるのかどうかが判断軸です。
上記で解説した「個人の属性」は問題がなくても「物件の収益力」(物件選び)で審査が通らなかったということも十分に起こり得ますので注意が必要です。
また、金融機関によって融資審査の基準は異なります。
A銀行では融資審査に落ちてしまっても、B銀行では通ったという事例がありますので「審査に落ちた」ことに囚われ過ぎないようにしましょう。
融資されやすい人の特徴・融資されにくい人の特徴
金融機関の融資審査では「個人の属性」と「物件の収益力」が基準となることをご理解いただけたかと思います。
ここからは、個人の属性に紐づく、金融機関からお金を貸したいと思われる「融資されやすい人の特徴」と、金融機関が嫌う「融資されにくい人の特徴」について紹介していきます。
融資されやすい人の特徴
融資されやすい人の条件は、以下の通りです。
- 借入れ数や借入れ金額が少ない
- 金融事故歴がない
- 勤務先が大手企業である
- 勤務先の業績が安定している
- 勤続年数が長い
- 給与が安定している
- 保有資産が多い
- 健康である
上記に該当していない場合でも、金融機関がプラスに捉える以下のようなケースも存在します。
- 勤続年数は短いが、年収アップを伴う転職をしている
- 現在の住居コストが少額である
- 夫婦共働きである
- 大きな借入れがない
例えば、年齢が50代である、教育費がかかる子どもがいるなど、一見融資に不利と思われる場合でも、年収アップを伴う転職をしていたり、社宅に住んでいるため住居コストが低く保有総資産額が多い場合は、金融機関からは安心材料が多いとみなされ、心証がよくなります。
金融機関からみて「融資しても返済が滞るリスクが少ない状況」であり「しっかりと長期にわたって返済できる人」と判断できることが重要です。
融資されにくい人の特徴
次に、融資されにくい人の条件を見ていきましょう。融資されにくい人の条件は、以下の通りです。
- 借入れ数や借入れ金額が多い、分割払いの残債がある
- 金融事故歴がある
- 勤務先の規模が小さい、設立して間もない
- 勤務先の業績が3期連続赤字である
- 勤続年数が短い、転職したばかりである
- 短期間で転職を繰り返している
- 給与が100%成果報酬型である
- 社会人歴が短い
- 健康に問題がある
例えば、年齢は30代で勤務先は大手、勤続年数10年で年収においても申し分ないという方でも、借入れ金額が多く、携帯料金などを滞納したことがある場合は、金融機関が嫌がる懸念要素が複数含まれるため、心証が悪くなってしまいます。
金融機関からみると「支払いにルーズな人なのではないか」と判断されるので、「数千万円のお金を貸しても大丈夫なのか?」と不安になる要素です。
融資を受けるためのコツ4つ
融資されやすい人・融資されにくい人の特徴について説明しました。次に、融資を受けるためのコツを紹介していきます。
融資を受けるコツは以下の通りです。
- 与信をきれいにしておく
- 個人の属性が高い状態で審査を受ける
- 収益性の高い物件で申し込む
- 提携している不動産会社から申し込む
それぞれ詳しく紹介していきます。
与信をきれいにしておく
まず、与信をきれいにしておきましょう。
先述したように、勤続年数や年収に問題がなくても借入れが多い場合は金融機関からみると不安要素にしかなりません。
消費者金融からの借り入れも金融機関は嫌がります。
理由としては、資金に困って借り入れをし、さらに利子が高いとなると返済能力に不安が残るためです。
このような場合、個人の属性に問題があるとみなされてしまうのです。
分割払いやリボ払いがある場合、必ずしも融資審査が通らないわけではありませんが、携帯電話やクレジットカードの支払いは滞納しないようにしましょう。
「滞納した事実」は、一定期間信用情報機関に情報が残るので注意が必要です。
金融事故歴については、自分の信用度を手軽にチェックできる以下の3つの機関がおすすめです。
シーアイシー(CIC) | 公式HP |
日本信用情報機構(JICC) | 公式HP |
全国銀行個人信用情報センター | 公式HP |
過去に、クレジットカードや携帯料金の支払いなどの遅延や滞納に心当たりがある方は、一度開示請求してみるのも良いでしょう。
個人の属性が高い状態で審査を受ける
与信をきれいにしておくことにもつながりますが、個人の属性が高い状態で審査を受けることも大切です。
個人の属性は、年齢・勤務先・勤続年数・年収などが該当しますが、これらはタイミングによって高い評価にも低い評価にもなるでしょう。
勤続年数が短くても「年収アップを伴う転職」をしている場合はプラスの審査になることがありますが、基本的には転職する前のほうが個人の属性は良いと言えます。
融資を受けやすくするためには、個人の属性が少しでも高い時点で審査を受けましょう。
現在、転職を考えていてタイミングを悩まれている方は、事前に不動産会社に相談することをおすすめします。
収益力の高い物件で申し込む
先述した通り、個人の属性だけでなく物件の収益力も融資の審査基準となります。
「現在人気の場所にあるから」「眺望がいいから」と安易に物件を購入するのは危険です。
人口が減少しておらず中長期にわたって入居者が付くと見込めるのか、災害リスクがなく日常的に管理やメンテナンスが行われ、資産価値が維持できる物件なのかを考慮したうえで、収益力の高い物件で融資審査を申し込みましょう。
提携している不動産会社から申し込む
不動産投資を成功に導くためには、提携している金融機関が多く、信頼できる不動産会社を選ぶことも重要です。
提携している金融機関が多いだけでなく、会社の規模(上場か非上場か)や、自身に合わせた最良の金融機関を紹介してくれるのかなど融資までの徹底的なサポートをしてくれること、借り換えなどのさまざまな相談にも対応してくれる不動産会社から申し込みましょう。
不動産投資のローン審査について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
不動産投資で融資を受けるまでの流れや必要書類
ここからは、具体的に融資を受けるまでの流れと必要書類について解説します。
申し込みの際に慌てることがないよう、あらかじめ確認しておきましょう。
融資を受けるまでの流れ
融資の審査は以下のような流れで進んでいきます。
- 事前審査申し込み
- 本審査申し込み
- ローン契約
それぞれ詳しく解説していきます。
【1】事前審査申し込み
まずは事前審査を申し込みます。事前審査には、身分証明書や源泉徴収票などの収入証明、物件の詳細情報の提出が必要です。
その資料から、金融機関は借入者の収入の安定性や物件の収益性などを審査します。
【2】本審査申し込み
事前審査を申し込んでから審査が下りるまでの期間は金融機関によって異なりますが2日〜1週間程度です。
事前審査に通ると物件の売買契約が結べるようになります。売買契約を結んだ後に不動産投資融資の本審査申込に進みましょう。
本審査では、「課税証明書」や「印鑑証明」など行政から取得する書類が必要になるため、事前審査よりも必要書類が多くなります。
本審査の期間も物件や借入者によって異なりますが、概ね2週間~1ヶ月程度です。
【3】ローン契約
本審査を通過した後は、金融機関の間で金銭消費貸借契約という融資契約を締結します。
一般的には、金融機関の店舗に出向き、金銭消費賃借契約と抵当権設定契約・根抵当権設定契約、団体信用生命保険などの契約書を作成・締結という流れです。
融資契約が終わると、引渡し日に融資が実行されて物件の引渡しを受けます。
審査時に必要な書類
融資審査を受けるには、準備しなければならない書類があります。主な必要書類は以下の通りです。
- 融資審査依頼書
- 収入証明書類(確定申告書、源泉徴収票)
- 印鑑登録証明書
- 納税証明書
- 住民票
- 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 既存で借り入れがある場合は返済予定表
- 資産証明書類
- 登記簿謄本 など
勤務先や行政から取得する書類があるため、余裕をもって準備しておくようにしましょう。
- 公図
- 地積測量図
- 建築計画概要書
- 記載事項証明書
- 固定資産税評価証明書
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 建物の図面
- 家賃一覧表 など
物件に関する書類については、不動産会社に依頼ができます。不明点なども含めて、不動産会社の担当者に協力してもらいながら準備をしましょう。
不動産投資の融資についてよくある質問
最後に、不動産投資の融資について、よくある疑問や不安についてお答えしていきます。
Q.自宅購入も考えているけど、ローンが組めなくなるのでは?
すでに不動産投資ローンを組んでいる場合でも、住宅ローンを組めなくなることはありません。
理由は以下のとおりです。
- 不動産投資で収益があれば、住宅ローンの融資審査で高い評価を受けられる
- 不動産投資の収益を自宅購入時の頭金に充てられ、金融機関からの借入額を減らせる
これは住宅ローンよりも不動産投資ローンを先に組んだほうがよいと言われる理由でもあり、先に不動産投資を始める場合は収益が見込める物件を選ぶことが重要です。
参考記事:【解説】住宅ローンと不動産投資ローンは両立できる?併用時の注意点とは
Q.ローンが通らないことはある?審査に落ちたらどうなる?
金融機関のローン審査によっては、審査に通らないこともあります。
ローン審査に通りにくいケースは以下のとおりです。
- 収入が安定していない
- 購入したい物件の収益が見込めない
- クレジットカードの支払いや携帯代などの延滞歴がある
不動産投資ローンを組みたいと考えている方は上記に当てはまるものがないか確認しましょう。
ローン審査に一度落ちたとしても、審査に落ちた原因を明確にし、マイナス要素を減らせれば再審査に申し込むことは可能です。
Q.ローンを組んだら家族や会社に知られる?
不動産ローンを組むと、金融機関からローン返済関連の書類がご自宅に郵送されるためご家族にも知られる可能性があるでしょう。
金融機関との面談の際に、不動産投資をすることについてご家族に了承を得ているかを聞かれることがあり、ご家族の了承を得ていることで金融機関によい印象を与えます。
後々のトラブルを防ぐためにも、事前にご家族に相談のうえ、了承を得るようにしましょう。
一方、勤務している会社へ書類が届くことはないため、ローンを組むことで会社や同僚に知られることはないでしょう。
参考記事:投資用ローン承認の撤回もあり得る!?銀行面談時の内容と注意点とは
Q.返済できなくなったらどうなる?
不動産投資ローンは不動産を担保にして融資を受けるため、ローンを返済できなくなってしまうと不動産を手放さなければなりません。
手放した不動産は任意売却や競売によって現金化され、ローンの残債の返済に充てられます。
ローンの返済を滞らせないために、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
また、信頼できる不動産会社をパートナーに選べば、ローン返済が困難になった際に専門的な視点でのアドバイスがもらえます。
参考記事:マンション投資のメリットと3大リスク|失敗事例と成功談・よくあるQ&A
【まとめ】不動産投資の融資について
不動産投資で融資を受けるメリットやコツ、融資されやすい人・されにくい人について解説しました。
高額のローンを組む際には不安なことも多く、自分だけでは判断できないことも多くあります。
信頼できる不動産会社をパートナーに選べば、金融機関の選定や融資審査などについて適切なアドバイスを受けられます。
プロパティエージェントでは収益力が高く、金融機関より100%融資の審査がおりた物件のみを仕入れ・販売をしております。
金融機関が納得した収益性の高い物件と、最も好条件なローンを活用できる金融機関をご提案し、融資審査をサポートします。
収支計画や返済戦略など、オーナー様の不安を払拭するための個別面談も実施しております。
不動産投資をご検討中の方は、ぜひ一度プロパティエージェントにお問い合わせください。
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