【 目次 】
保険でも投資を行うことが出来るということを知っていますか?
ここでは、保険の種類にはどのようなものがあるか、そして投資に適した保険やその特徴について説明し、
それぞれの保険がどのような人に合っているのかを紹介します。
保険が投資になる?
保険とは、将来事故や病気などの不測の事態が起こった時に備えるために、保険料を事前に払うものだという印象が強いでしょう。確かに保険の重要な機能として将来の備えがあるのは間違いありません。しかし、保険は種類や利用の仕方によっては投資の手段にもなり得ます。ここでは保険の種類について大まかに確認した上で、どのような保険が投資に利用できるのか見ていきましょう。
保険の種類
保険の種類は大きく以下の二つに分けることができます。
- 掛け捨て保険
掛け捨て保険とは、定期的に保険料を払うことによって不測の事態に必要なお金を保障してくれる保険です。しかし、満期になった時にはそれまでに支払ったお金は返ってこないという特徴があります。その分保険料は安くなっており、万が一に備えることを主な目的とした保険だと言えます。
掛け捨て保険の中には、受け取ることができる保険金額が一定で変わらない定期保険や、年々受け取り可能な保険金額は減っていくけれども保険料が割安な逓減定期保険などがあります。 - 貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、不測の事態に必要なお金を保障してくれるという掛け捨て保険のような機能と、満期になった時に積み立てたお金が払い戻されるという定期貯蓄のような機能を併せ持った保険です。満期に元本以上の額が受け取れるものもあるので、貯蓄だけでなく投資の手段としても利用できます。しかし良いこと尽くしではなく、保険料が比較的高かったり、途中解約するとそれまでに支払った保険料の一部しか返ってこなかったりといった注意点もあります。
貯蓄型保険の中には、保険会社の資産運用実績によって満期時に受け取れる金額が変わる変額保険や、外貨で運用される外貨建て保険などがあります。
投資に適している保険
以上の説明からお分かりかもしれませんが、二つ目の「貯蓄型保険」は投資目的で利用することができます。
貯蓄型保険の中でもさらに投資に適しているのは、一般的に以下の四つの保険だと言われています。
- 変額保険
- 外貨建て保険
- 低解約返戻金型保険
- 個人年金保険
投資に適した保険の特徴
ここからは、投資に適したこれら四つの保険それぞれについて、保険の仕組みや、投資という観点から見たメリット、デメリットについて説明していきます。
保険の仕組み
- 変額保険
変額保険とは、契約者が払った保険料を資金として、保険会社が株式や債券などの金融商品を運用し、その運用の実績に応じて、受け取る保険金や満期時に返ってくる払戻金の金額が変わるという仕組みの保険です。保険会社が運用実績で好成績を残せば、満期時に返ってくる金額は保険料の総額である元本を大きく上回る可能性もあります。そのため貯蓄型保険の中でも投資としての性格が強い保険です。
また、死亡保険金や高度障害保険金に関しては運用実績がマイナスでも最低保証額が設定されているものが多いので、保障という面での不安は軽減される仕組みとなっています。 - 外貨建て保険
外貨建て保険とは、保険料の支払いや保険金の受け取りなどがドルやユーロなどの外貨によって行われる保険です。外貨で資産運用することで通貨に関するリスク分散をしたい場合などに利用されます。海外の金利は日本の金利に比べて比較的高いので、投資的側面から見ても有効な保険だと言えます。 - 低解約返戻金型保険
低解約返戻金型保険とは、保険料を払っている期間の途中に解約をする場合には返ってくる金額は少なくなってしまうものの、その代わりに、保険料を払い終わった後に解約する場合にはそれまで支払ってきた元本の総額に大きく加算された金額が受け取れる仕組みの保険です。さらに、低解約返戻金型の保険の中でも終身保険の場合には、保険料の支払い期間を超えた後も解約せずにいると、解約した時の返戻金の金額が増えていきます。 - 個人年金保険
個人年金保険とは、一定期間保険料を払い続けた後、一生涯または一定期間、保険金を定期的に受け取ることができる仕組みの保険です。年金に近いもので、老後の生活資金を貯めるために利用されるのが一般的です。個人年金保険の利率は銀行の利息よりも高くなっているので、資産運用の有効な手段の一つとして利用することができます。個人年金保険は今回紹介している四つの保険の中でも、比較的低リスク低リターンであると言えます。
メリットとデメリット
では、それぞれの保険のメリットとデメリットを整理して見ていきましょう。
- 変額保険
<メリット>
・比較的高い利回りが期待できる
保険で投資をする場合には基本的にリターンが低いものが多いですが、変額保険の場合は、運用実績次第で大きなリターンを得る可能性があります。
・インフレ対策を行うことができる
保険金が定額ではないので、インフレによる影響を受けにくいと言えます。
・保険による万が一の保障がある
投資目的で利用した場合でも、万が一の大病などの際には保険金が受け取れるというメリットがありますし、運用実績がマイナスの場合でも、死亡・高度障害保険金に関しては最低保証額を下回ることはありません。
<デメリット>
・運用実績によって返ってくる金額が大幅に減る可能性がある
最大のデメリットは、保険会社の運用実績次第でリターンの額が大きく変動することです。特に満期保険金や解約返戻金については最低保証額がなく、損失が出てしまう可能性もあります。そのため、保険会社選びがとても重要になります。
・運用による手数料がかかる
保障に対する手数料だけでなく、資産の運用に関しても手数料がかかってしまいます。
- 外貨建て保険
<メリット>
・円建てよりも利率が高い
ドルなどの外貨は、超低金利の円に比べ利率が高い傾向にあるので、円建ての保険に比べ外貨建ての保険は利率が高くなる傾向にあります。
・外貨所有による貨幣リスクの分散ができる
万が一、円の貨幣価値が下がってしまったとしても、外貨建ての保険によって資産を外貨で持っておくと被害を抑えることができ、リスクの分散が見込めます。
<デメリット>
・返ってくる金額が変動する可能性が高い
外貨建てなので、為替の変動次第では返ってくる金額が大きく変わってしまうという、為替変動リスクがあります。そのため、リターンの目途が立てにくいなどの弊害があります。
・手数料がかかる
外貨から日本円にする際には手数料がかかってしまいます。ただし、満期保険金を外貨として残しておき、海外旅行などの際に利用すればこのデメリットは解消できます。
- 低解約返戻金型保険
<メリット>
・見込んだリターンを下回る可能性が低い
変額保険や外貨建て保険とは違い、得られるリターンはあらかじめ大体決まっており、安定した資産運用の手段だと言えます。
・保険商品の中では比較的高い利回りである
保険料の支払い期間の途中に解約した場合、受け取れる金額が少ないという条件があるため、満期時の利率は比較的高く設定されています。
<デメリット>
・途中解約すると大きく損をしてしまう
万が一お金が必要になった時に途中解約してしまうと、元本割れの可能性が高いので大きく損をしてしまいます。そのため、想定外の事態には対応しにくいと言えます。
- 個人年金保険
<メリット>
・堅実に資金を貯められる
解約に制約があるものもあり、銀行預金のようにすぐに引き出せるものではないので、堅実に資金を貯めるのに向いていると言えます。
・銀行より利率が高い
銀行に比べ、少しだけ利率は高くなっています。
<デメリット>
・保障が十分でない
他の保険と違い、個人年金保険自体では万が一の病気や死亡に対する保障が十分ではありません。死亡時などに、それまで払った保険料に相当する給付金が返ってくるのみで、まとまった保険金を受け取ることはできません。
・利率が低い
利率は比較的低く、年金としての機能を主として成り立っています。また、途中解約をした場合、返戻金はそれまでに支払った保険料の総額より少なく、元本割れしてしまいます。
あなたにはどの保険が適している?
今まで説明してきた四つの保険を用いた投資は、それぞれどのような人に適しているのでしょうか。
- 変額保険
変額保険は投資信託に似ていると言えます。しかし変額保険は投資信託と比べると利率は劣る一方、病気や死亡など万が一に備えて保険に入れる点や、死亡保険には相続税の非課税枠があり相続税対策になる点で優れています。そのため、多少のリスクを取ってでも資産を増やしたい、さらに同時に保険への加入や相続税対策も行いたいと考えている人に適しています。 - 外貨建て保険
最大のメリットは外貨による貨幣リスクの分散ができる点です。保険に入るついでに貨幣リスクを分散させたい人や、海外に頻繁に行くため外貨建ての恩恵を大きく受けられる人に適しています。 - 低解約返戻金型保険
まず、満期まで解約せず長期的に資産運用したい人に向いています。その上で、万が一に備えながら同時に貯蓄も安定的に増やしたいと考えている人に適していると言えます。 - 個人年金保険
年金の足しにしたいと考えている人や、保険というある程度の拘束力の中で確実に貯蓄をして老後に安定した収入を得たいと考えている人に適しています。
不動産投資にも貯蓄型保険での投資と同様の効果がある
今回確認してきた貯蓄型保険によく似た性質の投資に不動産投資があり、貯蓄型保険と同じような効果が望めます。最後に、一見全く違うようにみえる二つの投資方法が持つ多くの共通点を紹介していきます。
まず、貯蓄型投資の持つ投資以外の効果には以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 万が一の時にお金を得ることができる
- インフレ対策
- 相続税対策
- 年金のような収入が得られる
貯蓄型保険にはこのような利点がありますが、不動産投資でも同様の効果が望めます。
詳しく見ていきましょう。
- 万が一の時にお金を得ることができる
事前に不動産投資をしておけば、万が一の時に不動産を売却することによってお金を得ることができます。これは、事前に保険料を払うことで万が一の時に保険金を得ることのできる貯蓄型保険と似た仕組みだと言えるでしょう。 - インフレ対策
資産を貯金として持たずに不動産として所有することで、貨幣のインフレリスクを軽減することができます。 - 相続税対策
不動産は、相続税の計算の際に購入金額よりも大幅に低い金額で評価されるので、資産状況によっては相続税対策になるという側面もあります。 - 年金のような収入が得られる
不動産投資を行うと、家賃収入などを得ることができ、退職した老後などにも、(公的年金にプラスして)定期的な収入を得ることができます。
さらに詳しく不動産投資について知りたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。
関連記事:不動産投資の基本を徹底解説!「必要準備は?」「どの物件を買う?」
まとめ
今回は、保険を利用した投資について解説してきました。
様々な種類の保険がある中で、ご自身の目的やライフスタイルに合わせた保険を選びましょう。
また、保険と同様の効果を持つ投資方法として、不動産投資という選択もあります。ベストの投資をするために、幅広く投資の手段を検討してみてください。
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