空室リスクの備えは万全⁉発生前にやるべきこと・発生後にやるべきこと

不動産投資のリスクとしてまず思い浮かぶのは、「空室リスク」ではないでしょうか。なるべく空室リスクが少ない物件を選んだつもりが、入居者の退去後になかなか新しい入居者が入らないということはよく経験するものです。
今回は、空室リスクについて、空室が発生する前に準備しておくこと、空室が出たときにとるべき対策についてご紹介します。
一定期間で入居者が入れ替わる以上、不動産投資に空室リスクはつきものです。どのように空室リスクを軽減していくのかについて考えてみましょう。

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不動産投資の空室リスク

空室リスクの対策を考える前に、不動産投資における空室リスクはどの程度のリスクなのかを把握する必要があります。そのうえで、なぜ物件によって空室リスクが高いものと低いものがあるのかを探っていきましょう。

空室率については公的な資料のほか、様々な民間資料もありますが、
ここでは例として総務省が5年ごとに作成している住宅・土地統計調査を分析してみます。

総務省資料に見る空室率

総務省が行う住宅・土地統計調査は、昭和23年から5年ごとに発表されている日本の住宅・不動産の調査の中では最大規模のものです。

住宅数、世帯人数平米ごとの賃料平均など、様々な資料が掲載されていますが、空室率を分析するには、民間の借家戸数と借家の空室戸数が参考になります。

これによると、
・全国の民間借家戸数は1,523万戸
・民営借家の空室戸数は360万戸 となっており、
全国でみた場合の空室率は23.6ということになります。

東京都に限ってみると
民間借家戸数は271万戸に対して空室戸数は54万戸、空室率は19.9です。

この空室率は新築の物件と、かなり築年数が経っていて空室のまま放置されている物件が混在しているため、そのまま鵜呑みにすることはできませんが、
都市部の方が、空室率が低いことが統計的にもわかると思います。

空室リスクが高まってしまう主な原因

空室リスクが高まってしまう主な原因には次の3つがあります。

・投資対象の不動産が存在するエリアの人口の変化
・賃貸不動産の供給過多による物件のだぶつき
・賃貸経営の改善策を講じていない

それでは、順にみていきましょう。

投資対象の不動産が存在するエリアの人口の変化
投資対象となっているエリアの人口は日々、刻々と変化していきます。日本全体の人口は減少傾向ですが、首都圏を中心に人口は増加しており、東京都江東区など人気のエリアでは20年間で40%の人口増加率を記録した場所もあるほどです。

一方で、このような人気エリアに人口が流れたために、人口が減るエリアもあります。
人口が減ると住宅需要が減っていくために、自然と空室リスクは高まります
長期的にみると、エリアの人口動態が空室リスクに影響してくるのは間違いありません。

賃貸不動産の供給過多による物件のだぶつき
鉄道が延伸した、急行停車駅になった、新しいショッピングモールができたなど、注目されるエリアになると、多くの不動産開発業者が目をつけて土地の仕入に走ります。
その結果、短期間で多くの賃貸不動産が建設されることになり供給過多を生みます。

人気が出そうなエリアであれば、長い目で見ると空室は解消される可能性が高いですが、地域の特性(古い町工場が多い、空き地が多い、区画整理が進んでいるなど)によっては、どんどん供給過多が進むこともあるため、注意が必要です。

賃貸経営の改善策を講じていない
人口動態の変化や住宅市場の供給過剰については予想がしにくいところではありますが、空室対策を講じるか否かという点は投資家がマネジメントしなければならない部分です。

すべて一人で行っていて手が回らないのであれば、適切なパートナーを見つける必要がありますし、空室が長引いているならば広告宣伝をしたり物件を魅力的にしたりするなどの措置を講じる必要があるでしょう。
空室対策をせず放置していることが、空室リスクを高める最大の原因といっても過言ではありません。

空室発生から、次の入居決定までの流れ

退去連絡後に生じる主な手続きには、以下のようなものがあります。

【1】入居者が賃貸管理会社へ退去連絡(1~2ヶ月前通達 会社による)
【2】賃貸管理会社から不動産オーナーへ通達
【3】賃貸管理会社が広告や仲介会社への営業で入居者探し
【4】新入居者より申込み
【5】賃貸管理会社より不動産オーナーへ連絡
【6】不動産オーナーより承認が得られれば新入居者と賃貸契約締結
【7】入居開始、賃料発生

新賃借人の入居までにさまざまな手続きを踏まなければならないため、空室発生から入居まではパートナーである賃貸管理会社との連携が大切になってきます。

賃貸管理会社といかにコミュニケーションを取りながらスムーズに手続きを行うか

空室期間を減らすために必要な対策を迅速にとることができるか

ということが鍵になってきます。

「空室」発生における損失とは

それでは、実際に空室が発生し、リスクが顕在化した時にはどのような損失が生じるのかについて、以下のシンプルな例について考えてみましょう。

事例
物件価格:1,800万円(ワンルームマンション)
賃料収入:月額9万円(年額108万円)
頭金:300万円
借入額・借入条件:1,500万円・金利2.5% 30年払い
ローンの元利払い:約5.9万円/月
管理費・修繕費:1.5万円

上記の場合、家賃収入がある間は収支がわずかにプラスとなっていますが、家賃収入が無くなったとたんにローンの元利払いと管理費・修繕費が実費でかかってきます。

ということは、空室が発生した場合には、
1ヶ月で7.4万円(ローン支払い5.9万円+管理費・修理費1.5万円)のキャッシュフローマイナスです。

これが2、3ヶ月続くとマイナスは15万円、22万円と増えていきます。
金利が上昇した場合には、さらに負担が大きくなってきます。

また、月々の負担が大きいために売却しようとしても、長い間、空室になっている投資物件は投資家から敬遠される傾向にあります。そのため、ディスカウントの交渉の材料にされたり、売却までかなりの時間を要したりすることもしばしばです。

売却に最適なタイミングについては以下、ご参照ください。
今は売り時?不動産投資における7つの「売却タイミング」と見極め方

自主管理の場合には、月々の管理費・修繕費の損失は抑えられますが、自ら賃貸募集をして次の入居者との手続きを行わなければならないために、時間と手間が浪費されます。これも空室が長引いたときのリスクとして考えておいた方が良いでしょう。

▼自主管理と管理委託の違いについてはこちら
自主管理と管理委託、どっちがいいの?物件の管理方法について解説

空室による損失を最小に抑えるための対処法

空室による損害を最小限に抑えるためには、空室となっている期間をいかに短くするか、が重要になってきます。

賃貸経営を行っている間は入居者の入れ替わりがある以上、空室はつきものです。入居者がいるうちは賃貸管理会社との関係を密にし、入居者の状況を常に把握するなどして空室になった時にすぐ、対応できるようにしておく必要があります。

もっとも、閑散期に空室になってしまったときには2、3ヶ月空室になってしまうこともあるでしょう。その場合は、賃料の値下げや設備の更新などで他の物件との差別化を図りながら賃貸募集するなど、何らかの対策をとることが大切です。

空室発生前からすべき対処法

空室対策として大切なことの一つに、信頼のおける賃貸管理会社に管理を依頼することが挙げられます。物件を良好な環境に保つことはもちろんのこと、空室が起きたときにすぐに対応してもらえるか、責任をもって賃貸募集をしてくれるのかについて見極めながら管理会社を選定しなければなりません。

中には、現在の賃貸物件の入居率を開示している賃貸管理会社もあります。入居率の高い物件を多数扱っている管理会社であれば、賃貸募集も迅速、かつ適切に対処してもらえるでしょう。

そして、入居者から何か連絡があったときには賃貸管理会社から逐一報告してもらえるような関係性を築くことが肝要です。
このような関係が構築できていれば、トラブルがあった時の対応も迅速に行うことができますし、退去の通知を受け取った時もすぐに次の手を打つことができます。

空室発生前の空室リスク対策をまとめると、以下のようになります。

【空室対策1】入居率を開示している賃貸管理会社に任せる

【空室対策2】入居者の退去通知が何か月前なのかを確認する。
空室発生時には即連絡を貰える関係性を作る

【空室対策3】退去通知受領後、週に1回、2週間に1回など
定期的な報告を受けられるようにする(問い合わせ数、申込数などを把握する)

いわずもがなですが、空室が起きない物件選びも最重要ポイントです。
ぜひ以下の記事も参考にしながら、どのようなポイントに注意して物件を選んだらよいのかについてリサーチしておきましょう。

▼空室が起きにくい物件選びのポイントを解説
収益物件とは?不動産投資を始める前の基礎知識を紹介

空室発生後、入居がつかない際の対処法

5月、6月や10月、11月など引っ越しシーズンの間の時期は不動産業界としても閑散期になります。このような時には次の繁忙期シーズンを待つという方法もありますが、その間のキャッシュフローマイナスを考えると、何らかの対策を取って早めに新しい賃借人に入居してもらった方が結果的にプラスになることが多いのです。

具体的な対策としては、以下のようなものがあります。

【空室対策4】家賃を下げる

【空室対策5】入居条件を見直す

【空室対策6】新規設備を取り付けてグレードアップする・既存設備を更新する

入居者は家賃に敏感です。同じような物件ならば1,000円でも安い物件を選択します。周囲の物件との差別化のためには、1,000円、2,000円といった家賃の値下げでも十分な効果が得られる場合があります。

また、築年数が古い物件などによく活用される手法が「敷金・礼金の値下げ」、「フリーレント期間の設定」です。実質的には家賃の値下げと同様の効果になりますが、初期費用が安く済むのは入居者にとって物件を選ぶ決め手になるケースも多いようです。

加えて、カメラ付きインターホン、宅配ボックス、無料Wi-Fiなど人気の設備を取り付けたり、水回りや収納スペースを新しい設備に更新したりするのも大きなアピールポイントになります。

あまり費用をかけすぎて赤字になってしまっては元も子もありませんが、入居までの期間が早まり、賃料の値下げを回避できるのであれば、設備の更新も有力な手段となります。

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空室リスクへの備え「サブリース」契約のメリット・デメリット

「サブリース」契約とは、賃貸管理会社が所有者から物件を借り受け、さらに入居者に転貸する方式の契約です。賃貸管理会社は「サブリース会社」として入居者から賃料を受け取り、賃料保証料を差し引いた金額を所有者に支払います。

サブリース契約を締結すると、所有者から見た賃貸人はサブリース会社となり、契約期間中は空室になったとしても賃料を受け取ることができるために、空室リスクを回避することができます。

一方で、一般的に10%~15%のサブリース手数料が発生することから賃貸の収益性は低下します。また、サブリース契約によっては一定期間後に賃料の改定を交渉できる内容の条項が含まれているため、厳密な意味での「賃料保証」ではありません。
サブリース契約を勧められた時には、サブリース手数料の額と空室リスクとの兼ね合いをどう考えるかということになりますが、都内であれば比較的空室が長期間続くリスクは少ないため、サブリースを依頼する必要性は低いでしょう。

▼サブリースについて判断に迷ったら、こちらを参考にしみてください
不動産投資でサブリース契約は本当に必要?解約で大損の危険も解説!

まとめ

空室が発生してからの対応はもちろんですが、事前に対策をすることが重要です。

よく物件選びを間違えなければ防げるという記事もありますが、入居者の入れ替わりは必ず起きるために、少しでも空室リスクを軽減するための方策を考えておくべきです。

普段から空室発生時のフローの確認や、賃貸管理会社とのよい関係性が構築できていれば、いざ空室が起きても安心して、冷静に対応することができるでしょう。

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