不動産投資は出口戦略が重要!売却における注意点を徹底解説

日本における不動産投資は、人に貸し出して家賃収入を得る方法が主になっています。しかし、そうして運用を続けてきた不動産も、最終的には売却する時がおとずれることもあるでしょう。その場合、たとえ家賃収入を多く得られたとしても、売却時に大きな損失を出してしまっては意味がありません。

どのようにして損失を出さずに不動産を売却するかという「出口戦略」を購入前から明確にし、家賃収入と売却益を合わせた総利益を最大にすることが重要です。
不動産投資を成功裏に収めるために、不動産を売却するのに最適なタイミングと、売却時の注意点について押さえておきましょう。

不動産投資のご相談・お問い合わせで
プロパティエージェントの不動産投資がよくわかる資料セットプレゼント!

投資した不動産を売却するのに最適なタイミング

一度手に入れた不動産を売却するのは大きな決断力が必要になります。
特に安定して家賃収入が得られている場合はなかなか手放しづらいものです。

しかし、不動産は現物資産である以上、時間の経過によって何らかの変化があります。その変化に目を向け、売却に最適なタイミングを見極めるようにしなくてはなりません。
売却を検討するタイミングとして主なものをご紹介します。

売却金額が購入金額より多い時

中古住宅の価値が高いアメリカなどでは、不動産投資は安く買って高く売る、いわゆる「キャピタル・ゲイン」を中心とした投資も活発に行われています。しかし、日本は新築の価値が非常に高く、経年と共に価値は下がります。基本的に、取得してから10年経過すれば、ほぼ全ての物件において、売却価格は購入時の価格より安くなります。

その中にあって、不動産の価格が購入時より上昇するというのは見逃せないチャンスです。とはいえ、当然のことながら売却してしまうと家賃収入が得られなくなりますので、売却するか保有を続けるか悩んでしまうところです。

一つの目安としては、売却によって1年間に発生する税引後の賃貸収入の5倍から10倍ほどの利益を得られるのであれば、売却を検討すると良いでしょう。
ここで重要なのは、「売却価格」そのものではなく、「売却によって得られる利益」に目を向けることです。後ほど詳しくご紹介しますが、売却時には多種多様な出費が生じます。それらを計算に入れたうえで、売却すべきかどうかを判断するようにしましょう。

多額の費用が発生しそうなとき

不動産は人の利用や、経年劣化によって、点検や修理のメンテナンスが必要になります。
特に築10年を過ぎた不動産は設備や内装が劣化し、交換や修繕にコストがかかります。

また、マンション全体の大規模修繕を行う際に追加費用を徴収されることもあります。
不動産の劣化により多額の修繕費用が発生しそうな時期は、不動産売却を検討するひとつのタイミングでもあります。

修繕タイミングと費用目安についてはこちらを参照ください。
投資物件の価値を左右する!修繕タイミングと目安コスト

減価償却期間が終了するとき

不動産経営において重要なファクターである「減価償却期間」も売却の判断基準になります。不動産における減価償却とは、年月とともに劣化していく不動産に対し、資産として減少する価値のことを指します。

不動産を取得した際にかかった費用は定められた減価償却期間内で分割され、経費として計上することができます。

減価償却期間は木造の住宅は22年、鉄骨鉄筋コンクリートまたは鉄筋コンクリート造の住宅は47年となっています。鉄骨鉄筋コンクリート造、築15年のマンションを購入した場合、減価償却期間終了まで32年となります。
減価償却期間が終了すると減価償却費を経費として計上できなくなるため、所得税及び住民税が大きく増額してしまいます。実質的な利回りも下がってしまいますので、その前に売却してしまうのもひとつの手です。

減価償却の基本についてはこちら
減価償却とは?対象となる固定資産や計算方法を初心者向けに解説

デッドクロス到来により、キャッシュフローがマイナスになる前

減価償却ができる段階でも売却を検討した方が良い場合があります。
それがデッドクロスの到来です。

デッドクロスとは、「ローンの元金返済額が減価償却費を上回る状態」を指します。
ローン返済を続けていると、どこかの時点で元金が減価償却費を上回るタイミングが訪れます。不動産投資ではローンの利息部分は経費として計上できますが、元金は計上できません。デッドクロスが到来すると、キャッシュフロー自体に変化がなくても、経費が少なくなるため税額が増え、減収につながってしまいます。特に税金がキャッシュフローを上回った場合は赤字に転落してしまい、それが続くと破綻してしまうこともあります。

減価償却期間の短い築古物件を購入する、ローン返済期間を長くするという場合には、デッドクロスは避けられない問題になります。とはいえ、購入前のシミュレーションである程度は予測ができますので、デッドクロスを意識したプランニングをあらかじめ立てておき、売却のタイミングを図ると良いでしょう。

デッドクロスの仕組みについてはこちら
黒字倒産のリスク?デッドクロスの仕組みと賃貸経営の破綻を回避する方法を紹介

売却方法3種とメリット・デメリット

不動産を売却する方法は大きく分けて以下の3種類です。それぞれのメリット・デメリットを抑え、適した方法を選択するようにしましょう。

売買仲介業者

まず一つ目は、売買仲介業者(不動産会社など)と売買契約を結んで売却する方法です。最も一般的であり、また高く売ることができます。

契約の方法によってさらに3つのタイプに分類されます。

【1】一般媒介契約
複数の売買仲介業者と契約を結びます。
複数の会社に仲介を依頼できるため、買い手の幅を広げられるメリットがあります。
複数の会社が競争することで営業活動が積極的になることが期待できますが、逆に自社で販売できるとは限らないため、営業活動が鈍化する可能性についてはデメリットといえます。

【2】選任媒介契約
売買仲介業者1社とのみ契約を結びます。
媒介契約締結後7日以内に、レインズに登録する必要があります。
2週間に1回以上の状況報告が設定されているため状況を把握しやすい、積極的な営業活動を行ってもらいやすいというメリットがあります。
その反面、その会社の力量次第で売却の時期や金額が左右されるというデメリットがあります。実績や信頼性からしっかり吟味して契約先を選ぶようにしましょう。

【3】専属選任媒介契約
選任媒介契約とほぼ同じですが、
レインズの登録までの日数が5日と短く、状況報告は1週間に1回以上となっています。専任媒介契約よりさらに状況が把握しやすいというメリットがありますが、売買仲介業者を介さない契約はできません。もし、契約期間中に自身で買い手を見つけて契約をする場合は、違約金を払う必要があります。

※レインズ
不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピューターネットワークシステムのこと。レインズの仕組みについてはこちら
プロご用達「レインズ」って何?仕組みと使い方を公開!

買い取り業者

不動産買い取り業者に売却する方法です。
買い手が業者であるため確実に販売できるというメリットがありますが、販売価格(買取価格)は市場価格より1~3割程度安くなる場合があります。

個人間取引

個人間で不動産取引を行なう方法です。
親戚や隣人に売却するほか、現在では個人間取引専用のサイトもあり、自分で買い手を探すことも可能です。仲介手数料が発生しないため費用が節約できますが、当事者間でトラブルが発生しやすくなります。よほど専門知識がない限りは避けた方が良い方法です。

不動産投資のご相談・お問い合わせで
プロパティエージェントの不動産投資がよくわかる資料セットプレゼント!

不動産投資で売却をする際の注意点

最後に、不動産投資で売却をする際の注意点をご紹介します。少しでも高く、またスムーズに売却できるよう、現状の把握と対策を行っておきましょう。

注意点1:マンションのローン残債を把握する

売却を考えたらすぐにマンションのローン残債を確認しましょう。
もしローンの残債より売却額が低い場合は、売却額をすべて返済に充てても完済できません。

ローンを完済できない場合、不動産の抵当権を抹消することができないため、売却はできません。どうしても売却したい場合は手持ちの資金からローンを一括返済するか、ローン会社と交渉して売却後も返済を続けることになり、損失が大きくなってしまいます。

売却時のローンの足かせをなくすためには、ローンを組む際に頭金を入れる、自己資金から繰り上げ返済を行うなど、ローンをなるべく減らすようにしておく必要があります。
とはいえ、自己資金からの投入額を増やし過ぎてしまうと、手持ち資金に余裕がなくなってしまいます。ローンを組む時点からプランニングをしっかり行い、売却したいタイミングで売却できるよう、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

注意点2:複数社に見積もりを依頼する

先ほどご紹介した通り、物件を売却する際には売買仲介業者に依頼するのが一般的です。

複数社と契約できる一般媒介契約と一社とのみ契約できる選任媒介契約、専属選任媒介契約がありますが、いずれにせよ複数社に見積もりを依頼するようにしましょう。
そうすることで、ある程度の市場相場をつかむことができます。また比較することでその仲介業者の特徴や担当者の力量、自分との相性も分かり、自分に最も適した仲介業者を選ぶことができます。

注意点3:入居中に売却する

不動産投資物件は、入居者がいる状態でも売却ができます。
そうした物件は「オーナーチェンジ物件」と呼ばれます。

オーナーチェンジ物件は安定した家賃収入が約束されているため、不動産投資家には人気があり高く売れる傾向にあります。特にワンルームタイプは購入を検討する層が投資家中心になるため、入居者がいるうちに売却する方が有利です。

注意点4:安易な修繕やリフォームはしない

希望する価格では買い手がつかないという場合、つい焦って物件の価値を高めるために修繕やリフォームをしてしまいがちです。しかし、売値を上げることを目的とした修繕やリフォームはしない方が無難です。

その理由としては、かけた費用の分、売値が上がるとは限らないからです。
例えば300万円かけてリフォームしたからといって、売値がそのまま300万円上がるとは考えづらいでしょう。

先ほどご紹介した通り、売却のタイミングは利益が減少する時が多いです。安易に多額の出費を重ねるのではなく、不測の事態に備えて自己資金を確保しておく方が良いでしょう。

注意点5:売却時にかかる税金や費用を把握する

不動産を売却する際には、以下に列記するような税金や各種費用がかかります。

・仲介手数料
・印紙代
・抵当権抹消登記費用
・ローン返済
・譲渡益課税

上記の費用を差し引いた額が利益となりますので、それらも考慮して売却額や売却のタイミングを図りましょう。

特に注意したいのが譲渡益課税です。
土地や建物は、所有年数によって売却益にかかる税率が異なります。

 保有期間所得税住民税復興特別 所得税※
短期譲渡所得譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下30%9%0.63%39.63%
長期譲渡所得譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える15%5%0.315%20.315%

※平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて申告・納付する必要があります。

短期譲渡所得と長期譲渡所得では税率が倍近く違いますので、保有期間にも注意して売却のタイミングを図るようにしましょう。

注意点6:売却までの期間・スケジュールを把握する

不動産投資は現物資産であるため流動性が低く、売却の意志を示してから実際に売却できるまでに時間がかかります。
大体3~6ヶ月程度かかると考えておくと良いでしょう。
売却までの大まかな流れは以下の通りです。

1】価格を査定してもらい、売り出し価格を決める

2】媒介契約の締結

3】物件を売り出す

4】契約条件の交渉

5】売買契約の締結

6】引渡

7】仲介手数料の支払い

8】賃貸人の地位継承通知

9】確定申告

特に【4】~【5】は購入希望者が現れるか、条件が折り合うか、希望者の融資審査が下りるまでにどれくらいかかるかによって大きく差が出るところです。
早く売却してしまいたいと焦るあまりに安価で売却したり、契約をいい加減にしてしまったりすることがないよう、余裕を持ってスケジュールを立てるようにしましょう。

まとめ

不動産投資を成功させるためには、安定した家賃収入を得ることはもちろん、出口戦略を明確にし、適切な価格、タイミングで売却しなくてはなりません。

特に家賃収入がある時点では売却の判断をするのは困難ですが、不動産の価値は年々低下します。それにより家賃収入も売却益も減少しますので、売却のタイミングをしっかり見極めることが重要です。

購入時点から減価償却期間や大規模修繕のタイミングはある程度把握できますので、そうしたさまざまな要因から多角的に分析し、ある程度シミュレーションをしておくと良いでしょう。もちろん、運用を始めてからの細かな軌道修正も必要です。

プロパティエージェントでは、豊富な知識と経験を元に、オーナー様に適したプランニングを提案します。購入から運用、売却までを一気通貫でサポートし、オーナー様の大切な資産を守ることをお約束します。ぜひ、一度ご相談ください。

「不動産投資TIMES」の記事一覧を見る
不動産オーナー体験談・調査レポートを読む

LINE登録